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TURN on the Mixlist #0
今、どんな音楽を聴いていますか?

13 May 2020 | By TURN's Editors

TURNのオリジナル・ポッドキャスト・プログラム《TURN on The Mixlist》が始まります。TURNのメンバーによるトークと音楽をお届けするこのプログラム。まずはベータ版vol.0ということで、編集部の4人が新型コロナウイルス感染症拡大のおり、それぞれがどんな音楽を聴きながら毎日を送っているかについて話してみました。いま、世界中のアーティストがインターネット上の様々なプラットフォームを使いながらライブやDJなどを生配信し、ときには遠隔での録音を行い楽曲を発表したりと、様々な方法で私たちに音楽を届けてくれています。そんな世界中の動きもトピックのテーマに含みながら話していますのでぜひチェックしてみてください。


トークと音楽を組み合わせたミックスリストとしてSpotify上でプログラムをお届けしていきます。また、ポッドキャストサービス《Anchor》でもトークのみ配信しています。






【A Playlist For All the Moods of Social Distancing from TURN】

編集部員4名もこの隔離期間にそれぞれ「宅録・ホームレコーディング曲」や「スタジオワークに注力して作られた曲」などを集めたプレイリストを作ってみました。一人10曲×4種類、4者4様のインドア・プレイリストです。お楽しみください!

岡村詩野が選んだ10曲《Maybe you’re self-isolated》

現在、多くのアーティストが新曲やカヴァー曲を家で録音し公開しているし、先日もMoog Musicが新しいアナログシンセを発表した。危機に直面した音楽家たちが新たな価値観を表出させる時なのだろうと思う。では、私たちリスナーはこうした中で何ができるだろう? と考えてみる。無力だろうか。もがくだけだろうか。いや、そうじゃないだろう。何が最先端で聴かれているのか? などというつまらない座標軸をひっくり返すことができるかもしれない。ひっくり返す…というよりも、それが室内で作られたものであれ屋外で鳴らされたものであれ、今こそ本来の力を知る時だと気づくのではないか。音楽とは人と人とが離れていてこそコミットする契機となりえるものであると。(岡村詩野)



高久大輝が選んだ10曲《TURN at Home》

こんな状況なので普段以上にシリアスに考え込んで何も手がつけられない、あるいは腹が立ってどうしようもない、なんてこともあると思います(ソースは自分です)。踊らなやってられんよな!おい!!!という気持ちで10曲選んでみました。室内制作のお題に一応添いながら、様々なダンスが踊れる、というのをメインに考えたので、ヴェイパーウェイブ的なシニカルなユーモアだったり、クールな知性を感じられたり、確かなこだわりが滲んでいるとか、雑多に並んでおります。因みに自分は最近Spotifyの「設定」からさらに「詳細設定」へ進むとクロスフェードの設定ができるので、秒数をいじって、なんか絶妙なところを見つける遊びをやってます(このプレイリストでやる必要はないです)。音が止まると気が狂ってしまうという方はぜひ(ソースは自分です)。(高久大輝)



井草七海が選んだ10曲《We’re at home》

もともとインドア派なので、普段から聴く音楽と今回のプレイリストはさほど遠く離れてはいない。まずは、今ほど染みる時はないニック・ドレイクを起点に、グリズリー・ベアへ繋げてみた。宅録から始まった彼らの2枚目は、メンバーの叔母の家をスタジオ替わりに録った作品だ。また、フィリピンのジャングルにスタジオを建て生活しながら制作した((( O )))の曲も、宅録…ではないがそれに近いもの。後半はアンビエンスにスケールを感じる日本のトラックから、北欧のポスト・クラシカルへ。そもそも家で過ごす時間が長い国ゆえ「This Place Is A Shelter」というのもごく自然に出た曲名だろうが、外出自粛下の私たちにもやさしい。みないずれも、ひとつひとつのサウンドは部屋に閉じこもって作ったものだが、だからこそ脳内に溢れる外の世界のイメージを投影したような、スケールのあるアレンジになっているのかもしれない。リストを通して聴いた時には、改めてそんな共通点にも気付かされた。(井草七海)



加藤孔紀が選んだ10曲《for inside》

在宅での作業時間が長くなると、やたらと窓を開けては閉め、空気の入れ替えをするようになった。そうすると、公園で遊ぶ子ども達の声が聞こえてきたりして、外から聞こえてくる音に溶け合うような音楽を求めていることに気付いた。音楽を聴いている間は、音が外に漏れないように気も配る。そんな風に生活していたら、ベッドルームポップと呼ばれる音楽家たちは、まさに今、僕自身が置かれている状況と似た状況、自分以外の誰かの生活と近い距離で、音楽を制作しているのだと、どこか親密に思いを馳せることになった。だから、誰かにうるさいって言われてしまわないように囁くような声で歌う人もいて、周りから自然と聞こえてくる音を作品に取り入れたりもするのかなとか。ベッドルームポップは、音楽家の最も身近な環境を取り入れたサウンドなのかもと想像しながら、東京都多摩川近くの自宅にて選曲しました。(加藤孔紀)

Text By TURN's Editors

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