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ムーンライダーズ50周年企画 メンバー全員インタヴュー
佐藤優介
「永遠に違う目が出てくるサイコロを振っているような感覚です」

08 September 2026 | By Daiki Takaku

ムーンライダーズとは何か。50年のあいだ変化し続けてきたムーンライダーズには、固定された正解などないのかもしれない。あるいは、リスナーにはそんな問いの答えを考え続ける楽しみが与えられていると解釈することもできる。とはいえ、長年のファンでありながら、サポート・メンバーとしてステージに立ち、最新作『e.d morrison』に至っては制作面でも深く関わることになった澤部渡(スカート)、そして佐藤優介(想像力の血)の場合はどうだろうか。

両者は、ある意味では極めて幸福な立場を引き受けていると言えるが、同時に恐ろしく残酷な立場でもある。二人は、ライヴや制作を通して、その問いにどう答えを出すのか、試され続けているのだ。

とりわけ佐藤優介の場合は、ムーンライダーズきってのメロディ・メイカーであり、唯一無二の鍵盤奏者でもあった岡田徹の後を引き継ぐ立場にいることが明確である以上、その葛藤から逃れることは難しいだろう。今回は、現在のムーンライダーズについて、「ファンだけどアンチ」と飄々と笑う、彼の真意が少し見えたような気がした。ムーンライダーズ・メンバー全員インタヴュー、佐藤優介(想像力の血)の登場です。
(インタヴュー・文/高久大輝 協力/岡村詩野)





Interview with Yusuke Sato

変わり続けることが自然だった

──ムーンライダーズは小学4年生くらいから聴いていたそうですが、まずどのようなところに惹かれたんでしょう?

佐藤優介(以下、S):最初に聴いたアルバムが『月面讃歌』という、ムーンライダーズのディスコグラフィーの中でも結構特殊なアルバムだったんです。1曲ごとに違うプロデューサーにミックス前のデータを全部預けて、自由にミックスしてくださいっていうコンセプトで作られていて。ミックスといっても、もう何ならトラックも全部差し替えていいし、アレンジも好きに変えちゃってくださいっていう。だから、慶一さんの歌しかまともに残っていないような曲もあったりするんですよ。大胆なリミックス・アルバムというか、オリジナル・アルバムなんだけどリミックス・アルバムのような立ち位置の作品で。そういう意味ではバンドの個性がちょっと見えにくいアルバムかもしれないですね。

──そういった作品だという事前情報は知った上で聴いたんですか。

S:いや、当時まだそういうリミックスとかの概念もよくわかってなかったんで。ゲームの『MOTHER』が好きだったから、その人がやってるバンドっていう認識だけで興味をもって。たまたまそのときの最新作が『月面讃歌』でお店に置いてあったので。それに、同時代のいわゆるポップスとかもほとんど聴いていなかったから、比較してどうこうってこともなくて。

──ムーンライダーズが音楽の原体験だったと。

S:そう言っていいくらいです。でも、本格的にハマったのは2001年の『Dire Morons TRIBUNE』というアルバムで。これが『月面讃歌』とは真逆の、ムーンライダーズ120%みたいなアルバムなんですよ。すごく濃くて。

──そこから遡って聴いていくわけですね。

S:2000年代のアルバムの次に80年代のアルバムを聴いたり、わりとランダムに聴いていきましたね。ムーンライダーズってやっぱりアルバムごとに全然違うんですよ。50年もやってるから当然かもしれないけど、年代ごとに流行りとかスタイル、テクノロジーもどんどん変わっていって、音楽もどんどん変わっていく。音楽性も違うし、生楽器がメインのアルバムもあればほとんど打ち込みのものもあったりして。

──それって優介さんのこれまでのキャリアにも影響していますよね。

S:そこが原体験というのが大きいと思いますね。変わることを特別意識しているわけじゃないんですけど、たぶん変わるのが自分にとって自然なんでしょうね。

──想像力の血のインタヴューで、大江健三郎さんの小説においての、自己破壊衝動の話をしていて。もしかしたらムーンライダーズからもそういった影響を受けてるのかなと思ったりもして。

S:あると思いますよ。感覚がめちゃくちゃ若い人たちだから。自分なんかよりよっぽど若い。本当にずっと新しいものを見たり聞いたりして、それをすぐ取り入れるというか、すぐ影響を受ける体質というか。それをここ数年は間近で見させてもらっているから、自分も余計にそういう感覚が強くなっているのかもしれないです。慶一さんなんて生活もすごいですからね。いまだに朝まで飲んだりするし、毎週のようにとんかつとか食べてるし(笑)。

スタジオで生まれるムーンライダーズ

──2021年からは澤部さんとムーンライダーズのライヴに参加するようになり、『It’s the moooonriders』から制作にも携わっていくことになります。より近くでムーンライダーズと関わるなかで驚いたことなどはありましたか。

S:ライダーズはスタジオで曲を作るんですよ。それもリハーサルじゃなくて、レコーディング・スタジオで。今の特に若いミュージシャンは家でデモを作って、そのデモがほぼ完成形というのがほとんどじゃないかと思うんです。それだけ環境も手軽になってきたというのもあるけど、やっぱりスタジオっていう空間に何人かで集まって、楽器を手に持った状態から生まれるアイディアが必ずある。それを頼りに作っていくような感覚がムーンライダーズにはあるんですよね。逆に言うと、あんまり宿題みたいに事前に何か考えてきたりはしないというか、スタジオで仕事をするっていう気持ちがあるのかな。それはたぶん自分や、あるいはもっと下の世代には、もしかしたらもうあまりない感覚かもしれない。

──若い世代はレコーディング・スタジオを使うとしても、本録りというか、いいテイクをあらためて録る感覚が強いかもしれません。

S:そうですね。完成形に近づける作業というか。ある程度は青写真のある状態でレコーディング・スタジオを使うことが多いと思うんです。それなりの費用もかかるし。だから、ムーンライダーズのやり方はすごく贅沢ですよね。

──それだけスタジオで制作が加速するということでもありますもんね。ただお金をかけているわけじゃないというか。

S:強烈ですよ。ふつうは何回もテイクを重ねると単純に疲れてくるし、その人の限界もなんとなく見えてくるものなんですけど、ライダーズは本当に底がないというか。何回やっても違うアイディアをぶつけてきてくれる。だからつい「もう一回いいですか?」みたいにお願いしちゃうんですよね。そこで疲れてくるより、どんどん調子が上がっていくし、皆さん何テイクでもやってくれるんです。信じられないですね。

ずっとファンとして聴いてきたから、皆さんがどういう音を出すかはある程度わかっているつもりなんですけど、それでもやっぱりレコーディングだけじゃなく、毎回ライヴでもびっくりしますよ。「なんだこのフレーズは!」「まだこんなの出てくるんだ!」みたいな。本当にいつも違うことが本番で飛び出てくるから、あんまりリハの意味がないんですけど(笑)。

──澤部さんと優介さんがディレクターズ・チェアに座っていたとは伺っていましたが、そういった「もう一回」的なオーダーもできる関係性がすごく健全ですよね。

S:そこでためらっちゃうと、いる意味もないですからね。その、スタジオ内のコミュニケーションもすごく面白いですよ。どう伝えればそれがうまく作用するかなとか、読み合いのようなこともあるんで。こう言ったらこう出てくるから別の言い方をしようとかね。

──そうは言っても慶一さんをはじめ、メンバーの皆さんがお二人を信頼しているのは、セットリストを任せていることをはじめ、感じることが多いですよ。

S:いやー、でも自分や澤部さんとかがいるムーンライダーズは、あまり自分では認めたくないんですよね(笑)。

──過去のインタヴューでもそう言っていましたね。ライダーズ原理主義というか(笑)。

S:ファンだけどアンチみたいな、そういう奴が1人くらいいてもいいのかなというのはあります(笑)。それに、しょうがないんですよ。オリジナルの6人それぞれがまったく替えがきかない人たちだったんで。あとはその齟齬にどう悩んで、どう振る舞うかってとこしかないんです。

その場で試される思いつき

──一方でずっと変わり続けているバンドだからこそ、何かが変わっていくことに対しての違和感はないです。

S:結局、何でもありになっちゃうんですよね。でも、何でもありなんだけど、何でもありってことは何でもありじゃないんですよ。何でもありだからこそ、何を選び取るか、その判断がよりシビアになる。そこを、後から入った3人が共有できるともっといいなと思います。

──優介さんはステージ上でも飄々とされているイメージが強いですが、そういったシビアな判断をすることのプレッシャーを感じていたりもするんでしょうか。

S:うーん、ライヴが始まっちゃうとよくわかんなくなりますね。ちゃんと緊張はしていると思うんですけどね。みんな本番で何をしてくるかわからないっていう、それがあるから緊張すらも楽しいというか。リハでなかったことが本番で絶対何か起きるんで。ライヴは毎回そのアクシデントを楽しみにやってるようなところもありますね。

全部が即興ってわけでもないんだけど、ただ決まった曲を決まった通りに演奏するわけでもない、すごく微妙な、絶妙な自由があって。他ではあまりない感覚ですね。

それに、ちゃんとみんなそれぞれの音を聴いてるんですよ。僕がキーボードで弾いたフレーズをみんなが拾って、そこから発展していったりすることも結構あって。本当にステージの上で会話してるような感じですね、ライダーズのライヴっていうのは。

ライヴでは寡黙に演奏に専念

──『e.d morrison』にはそういった感覚も持ち込まれていますか。

S:全体的にそういうムードはずっとあると思います。だからレコーディングでも、あまり予習しても意味がないっていうか、その場で何ができるか、何を思いつくかを試されてるような、そういう感じがあるんですよ。

「快楽の椅子」誕生のいきさつ

──今作には初めて優介さんが提供している曲が入っています。オリジナル・メンバー側が選ぶ形で、デモの中からチョイスされたんだと思うんですけど、元々何曲くらいデモを持っていったんですか。

S:3曲くらい作ったのかな。アレンジもシンプルな、ドラム、ベース、あとピアノでコードが鳴ってるくらいのものを持っていきました。選ばれた曲以外だと、もっとトラッドっぽい曲と、もうちょっとポップな感じを意識した曲があって。

──もしかして、最も変わった曲が選ばれたんですか。

S:そうかもしれないですね。慶一さんからは「我々オリジナル・メンバーはもう好き勝手やるから、君たちはライダーズらしい、いわゆるパブリック・イメージの中のムーンライダーズみたいな曲を作ってくれ」というオーダーだったんですけど、結局、ムーンライダーズらしいって言っても何でもありなんですよね。逆に言うと、どんな曲を持っていったとしても、皆さんに演奏してもらう限り絶対ライダーズの音になると思うんです。澤部さんの曲も、弾き語りのデモの時点では結構スカートっぽいイメージだったけど、それがスタジオで大きくアレンジも変わって、ちゃんとライダーズの音になった。だからどんなものが来ても大丈夫っていう感覚が皆さんにもあったんじゃないかなって。

──ちなみに「快楽の椅子」は、誰が歌うのか想定していたんですか。

S:慶一さんに歌ってほしいとは思っていたんですけど、いろんなパートが出てくるような曲だったから、歌い分けをするイメージもあって。実際の歌入れのときに慶一さんから「ここは誰々が歌って」みたいに振り分けてもらって、リレーみたいな感じになりました。

鈴木慶一がヴォーカルで参加した想像力の血「Quaggi」

──想像力の血の「Quaggi」にも慶一さんの歌が入っていますけど、今回は感覚が違いましたか。

S:「Quaggi」の場合は、最初から慶一さんに歌ってもらうっていうアイディアはなかったんですけど、自分から出てくるメロディには、ちゃんと慶一さんの影響があるなと思って。それでお願いしたんです。いろんな人の影響がもちろんあるんですけど、慶一さんのメロディの個性というか、歌い回し、そこで出てくるメロディっていうのは絶対あるんで。慶一さんの声だから生きるメロディみたいな。だから、あの曲では慶一さんの声をずっとイメージしていたというのはあるかもしれないです。

──今回の「快楽の椅子」はどのような意識で歌ったんでしょう?

S:最初は慶一さんっぽい歌い回し、歌い方にしようと思ったんです。でも、慶一さん以外に博文さんやくじら(武川雅寛)さんが歌うパートも出てきて。それなら、自分も慶一さんに寄せるんじゃなく、全然違う歌い方にした方が面白いだろうなと。慶一さんっぽさや、自分らしさともちょっと違う、“誰でもない人”の歌い方をしようという意識はありましたね。そもそも想像力の血だったら、たぶんこういう曲は作ってない。ムーンライダーズだからできた曲という感覚です。

──加えてタイトルも、博文さんの歌詞もすごいです。

S:ノストラダムスの大予言みたいな、そういう世界ですよね(笑)。いきなり「快楽の椅子」っていうタイトルが来たときは本当にたまげましたけどね。

──優介さんの曲っていうのも意識したのかなと思ったりしました。

S:自分の方が博文さんや慶一さんの歌詞に影響を受けている側なんで。博文さんの歌詞は、「この言葉とこの言葉が組み合わさるんだ」みたいな、そういうところでハッとしますよね。それで慶一さんの歌詞は、すごくありきたりな言葉でも、「あ、こんな使い方があるんだ」みたいなところでハッとするというか。タイプが違って面白いんですよね。

──逆にご自身のエゴというか、優介さんの個性が強く出たと感じる部分はあったりするんでしょうか。

S:あんまり自分じゃ認識できてないんですけどね。たとえ無意識に出ていたとしても、自分の個性といえるものでさえ、そこにはライダーズからの影響って絶対あるんで。

──優介さんがムーンライダーズから受け取ったものがムーンライダーズに還元されている。

S:本当にそうで、永久機関ですね。

岡田徹にはなれない。その先で何をするか

──循環しているんですね。

S:あ、でもエゴの話だと、岡田さんの曲「トンネルの向こうのNothing」は、岡田さんからもらったデモがワンコーラスだけの構成だったんで、間奏のセクションは丸々自分が作っていて。そこのコード進行だったりは、もしかしたらエゴかもしれないですね。「岡田さんだったらどうするかな?」と考えたりしつつも、わりとプイッと入れたようなのが間奏になってるんです。そこは結構気に入ってますね。ちょっと転調して、そこだけ景色が変わるような。

──「トンネルの向こうのNothing」は冒頭から最高の曲ですね。

S:この曲の慶一さんの歌詞もグッと来ちゃいますよね。自分が一番最初にお会いしたのは慶一さんなんですけど、その次に長いのは岡田さんじゃないかな。いろんな仕事でご一緒させてもらってたんで。それでデモをやり取りしていたりして、その中の1曲が「トンネルの向こうのNothing」になったんです。

──そうだったんですね。岡田さんとは師弟とも似た関係性だった?

S:そうですね。師弟──でも学べない。岡田さんだけじゃなく、他のメンバーもそうですけど、特に岡田さんの作曲や演奏は真似できないっていうか、ただの真似になるしかない。センスなのかな。スタイルを真似するとかそういうことじゃなく、説明が難しいんですけど。メロディのセンスって、教えたりはできないと思うんです。

──岡田さんの作ったフレーズをライヴで弾く機会も多いと思いますが、継承している感覚があったりされますか。

S:継承というか、ただ真似しているだけですから、本当に。むしろ変えちゃいけない。やっぱりファンだから、自分が客だったら、このフレーズを聴きたいなと思うから弾いてる、本当にそれだけなんですよね。

──さきほどの「何でもありだからこそ、何でもありじゃない」というお話と繋がっている気がします。偉大なメンバーの空席をどう埋めるのか、やはりファンであるからこそ大きな葛藤を抱いているというか。

S:世の中のいろんなバンドの、オリジナル・メンバーの後を継いだ人たち全員が苦悩していることだと思います。自分も、澤部さんも、夏秋さんもそうで、絶対に真似できないような圧倒的な人がいて、その後で自分が何をできるか。そこをいかに考えるかっていうことだと思うんです。その意識がないと、緊張感はなくなっていくと思いますね。まあ、大変っていうか、岡田さんのようになるのはもう諦めてるんですけどね。だから別のことをどうやるか考えるんです。

──ライヴでは優介さんや澤部さんが全体をフォローするような動きをすることも少なくないですよね。それもそういった意識から?

S:いや、良かれと思って──例えばライヴ本番の話だと、博文さんがベースを弾くのをやめたりするんですよ。急に弾かなくなっちゃう(笑)。そうすると音楽自体がよくわかんなくなっちゃうんで、かわりにキーボードで低音を弾いたりするんですけど。でもそれってやらない方がよかったのかもなと、後から思うんですよね。わけわかんないまま見せた方がもしかしたら面白かったんじゃない?って。それで自分や澤部さんが消火活動するよりも、焼け落ちた家を見せた方がいいんじゃないかって。ついリカヴァリーみたいなことしちゃうんですけど。

──オリジナル・メンバーの皆さんは安心して背中を預けているのかなと想像したりはしますが……。

S:いやー、わからないです。何考えてるか本当にわからないんで。理解不能です(笑)。けどそうやってフォローしたりするのも、もしかしたらファン目線なのかもしれない。「ここでくじらさんのヴァイオリンが聴こえてきてほしい」「ここは絶対慶一さんに歌ってほしい」とか、そういうバランス感覚。そこはやっぱりファン心理なんですよ。「こんなライダーズは嫌だ」みたいなのがどこかにあるんですよね。あまり言えないけど、澤部さんが歌いすぎるのも違うし、もちろん自分のキーボードも、夏秋さんのドラムもそう。やっぱり決めるところはオリジナル・メンバーの今の4人に決めてほしいというのは絶対あるんです。「ここはお願いします」と。

──ファン心理はセットリストにも出ていますか。

S:本当にファン心理ですよね。「この曲はまだライヴで聴いたことないな」とか。そういう曲を1つは入れたい。50年の歴史の中でちょっと埋もれてしまっていたものを発掘できたらいいな、というのはありますね。

永遠に若いバンド

──これは澤部さんにも伺ったんですが、『e.d morrison』はムーンライダーズの50周年を祝う作品でもあるので、せっかくの機会に、ムーンライダーズの皆さんに、もしメッセージなどあったら教えてください。

S:いや、ないですね、本当に。僕なんかが恐れ多いです。

──澤部さんも同じことをおっしゃってました。

S:本当にファンなんで。最初に言ったけど、生まれて初めて聴いた音楽ぐらいの存在だから。親みたいなものでもあって。

──そんな存在といっしょにやれるということも本当にすごいことですよね。

S:そうなっていること自体が奇跡だし、オリジナル・メンバーの皆さんが変に上から来たりすることもまったくないんですよ。あくまで音楽、ミュージシャン同士として対等に接してくれる。そういう6人だったというのも奇跡的で。だからこそ、余計シビアでもありますよね。対等っていうのは。

──対等だからこそ、緊張感もある。そんな現在のムーンライダーズと、これからやってみたいことはありますか。

S:慶一さんはあと2枚アルバムを作ると言ってましたからね。今回のやつが三部作の第一部だって。でもあと2枚と言わず、もっとアルバムを作ったり、ライヴをずっとできたらいいなと思いますね。長く続いてほしいというのは、変なセンチメンタルなことじゃないんです。思い入れがあるからじゃなくて、飽きるってことがないので。永遠に違う目が出てくるサイコロを振っているような感覚ですね。この後どうなるんだろう、何が出てくるんだろうっていうのがずっと気になる存在なんです。

──そういう意味では若いバンドですね。

S::本当そうですね。永遠に若いバンドなんだと思いますよ。


<了>

Text By Daiki Takaku


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