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RM(BTS)とのコラボでも注目!
最新作『Default』で愛されたいと叫ぶ理由
キム・サウォル(Kim Sawol)初来日公演直前インタヴュー

20 April 2024 | By Daichi Yamamoto

シンガー・ソングライター、キム・へウォン(Kim Haewon)とのコラボ作『{Secret} 』(2014年)で韓国大衆音楽賞の新人賞、最優秀フォーク・アルバム賞を受賞、ソロ・デビュー後も、『Suzanne』(2015年)、『Romance』(2018年)とアルバムが2作連続で同部門で賞を受賞するなど、キム・サウォル(Kim Sawol)は韓国を代表するシンガー・ソングライターであり、フォーク・ミュージシャンだ。

サウォルの音楽がこれほどまでに支持されている理由の一つは彼女の書く歌詞だ。感情を赤裸々に綴りつつも、その視線や出来事への距離感は冷静で鋭く、時に悲観的なトーンだったりもする。歌声の柔らかさと、歌詞の中の力強さが同居するからこそ、クールだと思っていた。

今年3月に発表されたニュー・アルバム『Default』では愛という普遍的なテーマをほとんどの曲に持ち込んだ。「愛してほしいけれど、最後には捨ててほしい」という捻くれた思いを曝け出すオープニングの「Love Me (Or Else)」のようなサウォルらしい表現の歌もある。だが、アルバムのメインを飾る「Default」ではヴァースでこそ「世の中に愛がない」と断定しながらも、最後にはその迷いから抜け出しダイレクトに「愛されたい」と叫び、サビにある張り裂けるような歌唱は、美しい詩的な表現とも相まって、感動さえ呼び起こしてしまう。本作は全体的に自分の欲望に正直になることで一段と人として力強くなっていくサウォルの姿も感じ取れるし、今年でキャリア10年となる彼女の成熟も伺える。

愛されたい あの雲が空に愛されるように
永遠でいたい
それらを全部ほしい

愛されたい
夜明けに祈る心のように
無条件的な愛
それらを全部ほしい

愛されたい
母が私を産んだように
存在的な愛
それらを全部ほしい


──「Default」より

もちろん歌詞だけではない。韓国国内のシンガー・ソングライターはもちろん、セルジュ・ゲンスブールをはじめとするフレンチ・ポップや、日本の森田童子や椎名林檎などへの愛情も語るほど、幅広い影響源を取り入れた音楽性や歌唱もサウォルの個性を形作っている。だからこそ最近はBTSのRMやラップ・グループ、EPIK HIGHら他ジャンルのビッグ・ネームとのコラボやドラマOST、インディ・シーンの実力あるプレイヤーたちと組んだバンドでのアンサンブルなど活躍の場を広げているのだろう。

そんなキム・サウォルが4月末に来日公演を果たす。今回のインタヴューでは、新作『Default』の話を中心に、女性ミュージシャンのみで組まれている彼女のバンド、先述のRMやEPIK HIGHらとのコラボについても語られている。以下の対話はきっと、いまのキム・サウォルを理解するのに役立つはずだ。

(インタヴュー・訳・文/山本大地)

Interview with 김사월 (Kim Sawol)


──ニュー・アルバム『Default』はアルバムの構成がはっきりしていますよね。序盤ではリズミカルでロック的なサウンドの曲もあり、中間にアルバムのハイライト「Default」が、後半はリスナーが思い浮かべるキム・サウォルの音楽に近いであろう、フォーク・スタイルの曲が中心になっています。こうした構成の意図を教えてください。

キム・サウォル(以下、K):「Default」を2022年の夏頃に書いたんですが、この曲は私の当時の考えを代弁しているし、曲が持つメッセージに力があると感じて。アルバムを作るならこの曲が主人公になれると思ったし、曲中にも場面の変化が多いので、この曲が持つナラティヴのようにアルバムも作れそうだと思い、自然と「Default」を真ん中に一番目立つように配置しました。それに昔の音楽って、LPのA面、B面で全然違ったりもするじゃないですか。そんなことも意識しています。あと、私は歌詞やライブで二面的な演出をする方なので、今作で私のそういう面も活かせるのではないかと思いました。

──「Default」を書いた頃の心境が今作の起点となっているのですね。

K:「Default」がテーマの中心にはなりましたが、1曲目の「Love Me (Or Else)」はそれより前の2019年に書いた曲で。作っておいた曲をアルバムのテーマに合わせて選んでいるから、作った時期はバラバラなんです。以前と比べて私が成熟したように見えるかもしれないですが、私の歌は内容も、言いたいこともいつも似ています。私は一つのテーマをいろんなやり方で表現するタイプなんです。ただ、今作では起承転結を用いてストーリーを構成してみたので、以前と違っているように聴こえるかもしれませんし、そう届けばいいなと思っていました。

──愛についての歌が多いですが、その中でも「Default」や「Knife」は無条件の愛を歌っていますよね。当時は愛を求めたい気持ちが強かったのでしょうか?

K:愛って必ずしも恋人同士の話に特定されるわけじゃないですよね。友達との愛情、自然への愛についても歌えます。セカンド・アルバム『Romance』は恋人と恋に落ちて、失望して、別れて…その中で自分のことをより深く知っていくストーリーのアルバムでした。でも今作はもっと自分の周りにある広義の愛についてのアルバムです。序盤の曲ではリスナーからの愛情を切望しているんです。「Default」では、私の存在がより受け入れられるような世界で生きたいという気持ちで、愛を求める私の話を書きました。その純粋な欲望を、もっと大げさに、力強く表現しようと、エーリヒ・フロムの「愛することについての技法」という本に出てくる「存在的な愛」という表現からインスピレーションを受けて愛を歌っています。

──「Default」は曲の進行に合わせて演奏スタイル、ムードが変わってきます。この曲の構成やレコーディングについて話してもらえますか?

K:歌の中で「愛されたい」と正直に曝け出すことは、恥ずかしいし、緊張もする。それは今まで言いたかったのに言えなかった言葉でした。でもその言葉を吐き出した瞬間、力が漲ります。だから「愛されたい」という言葉から生まれるキーワードでいくつか別々の場面を作ってみました。最初のヴァース、コーラスではそういう緊張感を表現してみたつもりです。「愛のない世界がデフォルト」というキーワードが面白いですよね。「ない」という言葉からいくつかの切り口が生まれていて。だからこそ愛を「喜ばなきゃいけない」とも歌うし、自分は誰からも愛されないだろうと悲観的な気持ちで「愛はない」と言っているのではないかと見ることもできる。でも、「そもそも世界に愛はない」と言えども、全く愛されないのも辛いから、自分の気持ちを整理する意味で終盤では「愛されたい」という思いを曝け出していきます。

また、構造的には序盤ではフォーク・ミュージシャンである自分の姿が表現していて、ボイスメモのような音質のパートでは私のデモ音源の雰囲気出しています。その後に私のバンド・サウンドもカッコよく聞かせられれば、これまでの私の色々な音楽スタイルを見せられる曲になると思ったんです。終盤の爆発するような演奏は、一緒にやってきたバンド・メンバーたちと、今までやったことのないことを挑戦をしてみようとした結果です。

──「愛されたい」と叫ぶこと自体が力強い表現ですが、序盤では「愛のない世の中がデフォルト」と愛の存在を否定していたのに終盤になって、それを欲している。その対比によってもっと力強い叫びになっていますよね。一つの曲の中で人間の心の複雑さ、それでも正直に気持ちを曝け出したい素直な気持ちが表現されているようです。

K:だからこそ私も「Default」という曲もアルバムも気に入っています。今の私を表現出来ていると思うんです。

──サウォルさんの歌い方や歌詞について、以前までは「冷静」「クール」といったイメージがありました。だからこそ、ダイレクトな表現をしたときのインパクトも大きいです。

K:そうですよね。ほとんどの人が私を冷静で暗いミュージシャンだと思っています。そんな私が明るい音楽をやったときのギャップも面白いかもしれません。

──サウォルさんにとって歌詞を書くという行為はご自身にどんな効果をもたらしていると思いますか?

K:自己治癒、でしょうか。必ずしも「大丈夫だよ」「よくやっているよ」という直接的な癒しのメッセージではなく、あった出来事をそのまま表現して歌うだけですが、それでも何年もその曲を歌い続けることで、自分自身がそこから抜け出すのを助けてくれていると思います。

──活動を始めて10年以上が経っていると思いますが、歌詞を書くことについて以前より成熟しているように感じますか?

K:難しいですね。文法的な間違いが減るよう努力したりはしていますが、基本的には似たように書いていると思います。一つ言えるのは以前は私として生きるのに不快感を感じることもありましたが、最近は少し気持ちが楽になったということです。ありのままの自分を受け入れるのが20代の時は難しかったんです。

──以前はインタヴューや歌詞でも「他人を愛するにはまず自分を愛さなきゃ」というメッセージをよく表現していたと思いますが、以前より自分を愛することができるようになったということでしょうか?

K:こう言うのも恥ずかしいですが、今は自分を認められるようになったし、少しは好きでいられています。以前は「自分を好きになるにはまず自分について知らないといけないだろう」という冷静な考えを持っていました。でも、サード・アルバム『Heaven』(2020年)を作った頃に変わっていきました。『Heaven』は自分の世界に入り込んだようなアルバムで、いろんな人といっしょに作業している今作『Default』と違って一人で作り上げた部分が多かったのですが、『Heaven』をリリースしたことで私のシニカルさがいくらか薄くなっていきました。もっと心を開きたいと思うようになったんです。それに、それまでは朝まで作曲をして、起床や食事の時間も不規則な日が多かったのですが、最近は12時までには必ず寝て、運動もしています。生活習慣が変わったことで、精神的にも健康になりました。

『Heaven』収録曲

──今作ではサウォルさんも自らライナーノーツで言及されていましたが、アルバムの序盤の曲は60年代のポップやロックの影響を受けているようですね。その時代のロックやバンド・サウンドのどんな部分が、今作のテーマとマッチしたと思いますか?

K:私は当時のフォークやカントリーのシンガー・ソングライターが好きだし、ビートルズも好きです。当時のミュージシャンならではのカッコよさがありますよね。私のキャラクターって、明るい面も暗い面もどちらも持ち合わせていることだと思うんです。それで私の暗くてシニカルな感じを明快に表現してみたいと思った時、60年代の音楽が特に合うように感じて。昔の歌って「離れないで」とか悲しそうな歌詞を歌いながらも曲はノリがよかったりもするじゃないですか。私も愛されないでいるけれど、見た目はカッコよくいるっていうアンバランスさを表現したかったんです。

──制作期間中、実際に60年代の音楽をたくさん聴きましたか?

K:私はアルバムを作るときに、リファレンスをたくさん集める方なんです。 今回はミキシングのときにもたくさん参考にしました。 60年代のレコードでは、例えばジョン・レノンの声は左、ポール・マッカートニーは右というように、パンニングが左右にはっきり分かれていることが多いじゃないですか。そういう手法も借用しています。

──ライナーノーツでは収録曲のうちの大半で録音についてのお話も書かれていますし、実際に録音での試行錯誤も感じられます。

K:そうですね。以前から録音への関心は高かったですが、今作ではより細かく気を配るようになりました。リスナーには音楽を聴いて自由に想像してもらう方がいいかもしれないし、ライナーノーツにこうして録音のことを具体的に書くことで、「作品をどう聴けばいいかについてガイドし過ぎていないか」「これはリスナーに本当に役に立っているのか」と、実は心配もしました。でも同時に音楽活動を通してリスナーに私について興味を持ってもらいたいし、私が良い作品を出していることも知ってもらいたいたかったんです。慎重にお話したいことですが、こうしてライナーノーツに音楽的な話を自ら書いたことも、女性シンガー・ソングライターが録音にこれだけ関与したり、関心を持っているというイメージを持ってもらうのが難しいと思うからこそでもあります。だからなのか幸い、最近のインタヴューでは音楽的な質問が多くなりましたね。

──今作はキム・サウォル・バンドの存在感が高まった作品だと思います。バンド・メンバーには、他のバンドにも所属していたり、インディ・シーンでもその実力が高く評価されているプレイヤーもいますよね。今回の来日公演ではバンド・セットでのライヴも予定されていますが、一人ずつどういう経緯でバンド・メンバーに加わってもらったのか話してもらえますか。

K:まずベースのチョン・ソルギさんは初めて私のバンドに入ってくれたBroccoli, you too?のドラマー、リュジさんから紹介してもらいました。リュジさんとソルギさんはElectron Sheep(전자양)というバンドも一緒にやっていたし、リュジさんにとっては一番一緒にやるのが楽なベーシストでした。

Electron Sheep(전자양)

ドラムのチョン・ソヨンさんはリュジさんがBroccoli, you too?の活動に専念しなければならなくなった時に、ソルギさんに一緒にやりやすいドラマーを教えてもらい出会いました。スヨンさんはよりグルーヴィーで、ジャジーなドラマーなので、スヨンさんに入ってもらってバンドの雰囲気が少し変わりましたし、サード・アルバム『Heaven』を作った時にもすごく貢献してくれました。

ギターのイ・シムンさんはセカンド・アルバム『Romance』発表後、ライブが多くなってきた頃に入ってくれました。私のギター演奏ではうまく表現できない部分があることがわかり、ギタリストを探していたんです。シムンさんはインディ・シーンのスーパー・ギタリストで忙しい方なので、何度かサポートしてくれるだけでもありがたいなと思っていましたが、幸いずっと一緒にやってくれています。

イ・シムン

キーボードのイ・ソラさんは、以前キーボードを演奏してくれていたパク・ヒジンさんが所属しているKomagensというバンドの活動に専念することになり、 新しいメンバーを探している時に合流してもらいました。でも、もともと私はソロ・ミュージシャンとしてのソラさんのファンでした。自分の活動も忙しいのに快く私の誘いを受けてくれて。すごく仲が良いし、私の自慢です。

私は女性だけでバンドを組みたかったんです。ファースト・アルバム『Suzanne』の頃は周囲に男性ミュージシャンが多かったですが、当時は私が幼かったのもあり、彼らにどう自分の意見を伝えるか、すごく悩みました。それに、そもそも私は内向的な人間なので、歳の近い女性メンバーたちとの方がより言葉を伝えられるのではないかと思って。あと私自身、そういったメンバーたちから力をもらいたかったんです。音楽シーンでは女性が長く活動するのが少し難しいですが、私のバンド・メンバーたちは皆すごく長い期間活動してきた人たちで、そういう実力のある人たちと一緒にやれています。

──バンド・メンバーたちからは音楽的にどのような影響を受けていますか?

K:バンド・メンバーたちとアルバム制作も一緒にやるようになったサード・アルバムからドラムとベースのニュアンスが変わりました。今作の序盤のロック・スタイルの曲もこの人ならこう弾くだろうとイメージした結果、自然とできたものなんです。

──音楽活動の外ではどうでしょう?

K:すごく仲が良いです。日本に行ったら、みんなでショッピングに出かけたり、ライヴハウスや楽器屋さんに出かけたりしようねと話ています。

──女性だけでバンドを組むことについて参考にしたり、憧れたことのあるバンドはいますか?

K:参考にはしていないですが、ハイムはカッコいいですよね。私たちは彼女たちよりも内向的ですが、彼女たちのアティチュードを見て、私の好みは女性たちがいっしょにいる時に感じられる安全な雰囲気なんだなと思いました。私は映画音楽の仕事もしますが、女性監督たちと仕事することが多かったですし、彼女たちは現場のスタッフも女性を選んでいることが多かったです。彼女たちも自分がより自分らしくあるために、自分と似た人たちとやろうとすることが多いようですし、そういうところからモチーフを得ることもあります。私が一番やりやすい環境は私と似た女性たちがいる場所なんだと思います。でも、今作では少し変化もありました。前作では女性たちと制作することにこだわっていましたが、今作では管楽器のメンバーやフォトグラファーに男性がいますし、合う人の幅が広がったみたいです。

──サウォルさんはEPIK HIGHやRMなど他ジャンルの有名ミュージシャンともコラボレーションしてきました。そうしたミュージシャンたちはサウォルさんの声のどんなところに魅力を感じていると思いますか?

K:私もどのように私のことを知ってくれたのか不思議です。もしかしたら私の持っているギャップが良いキャラクターになっているのかもしれません。例えば私の声は柔らかいのに、歌詞は冷静なところとか、皆さんが私の声から想像するのとは違ってロック的な音楽をやっていたり…。声が良い人も歌がうまい人もたくさんいますが、私の声が曲に入ったときに、立体感が生まれるのを期待して使ってくれたんじゃないかと思います。特にEPIK HIGHとのコラボ曲「Leica」はそう言えると思います。私はヒップホップでよく使われるような強いスラングを普段はあまり使わないですが、そんな私の声が彼らの曲に入るから面白いんだと思います。熟練したR&Bヴォーカルと私のようなささやき声のヴォーカルでは同じようなスラングを歌っても別物に聞こえるんじゃないでしょうか。

一方でRMさんは私の明るい面も暗い面もどちらも持ち合わせているという二面的な魅力の中から明るい方を見せしようとしたんだと思います。「건망증 (Forg_tful) (with Kim Sawol)」の歌詞は暗いですよね。なのに、明るく、軽く歌うじゃないですか。それが私のやり方と似ているので、私を思い浮かべたのかもしれません。私の声は、思いっきり明るく歌っても結局は暗く聞こえる歌声だということを考えて使ってくれたんだと思います。

RM(with Kim Sawol)

──EPIK HIGHやRMというミュージシャンとのコラボは普段していたような他のミュージシャンとのコラボと異なる部分もありましたか?

K:すごく有名な方たち、ということを除けば同じでした。皆さん私の個性を尊重してくれましたし、こうして欲しいという要求もあまりなく、「いつも通りやって」と私が気を遣い過ぎないようにしてくれました。

──今月末には日本公演がありますね。

K:私の歌詞のニュアンスは韓国人の中でも一部にしか理解が難しいと自分でも思うので、海外での活動は想像もしていなかったです。でも最近になって、人って言葉にしなくてもお互いの気持ちは通じるし、その人がどんな状態なのかを感じられる動物的感覚を持っていたのに、言語によってその感覚を失ってしまったのではないかと思うようになりました。説明も無く、歌詞の内容について100%の理解は出来なくても、伝わるだろうというポジティヴな考えが生まれたんです。私が深く解釈できない言語でも、そこからくる響きやニュアンスって、言語から直接得られるものとはまた違う、貴重なものだと思います。私の「Signals Across the Night」という曲は別々の時空間でも私たちはお互い繋がり合えるということを歌っている曲ですが、日本でのライヴを前にした私の気持ちもそんな感じです。もともと予定のあった2020年に日本に行っていても良かったとは思いますが、そのときより良い自分を見せられるはずです。

──最後にサウォルさんが影響を受けた韓国のミュージシャンを一組、また現在活動する同世代や後輩の韓国のミュージシャンから一組、日本の読者にぜひ紹介したいというミュージシャンを一人教えてください。

K:一人目はチャン・ピルスンさんです。1989年にデビューした、ハスキーで華奢でありつつも、力強さも持ち合わせている魅力的な歌声でたくさんの人たちを癒してきた、韓国の女性フォーク・ミュージシャンを代表するアーティストです。「어느새(Suddenly)」、「나의 외로움이 널 부를 때(When My Loneliness Calls You)」のような大衆的にも知られている曲もあります。ロック、ジャズからエレクトロニカまで、新たな取り組みにも積極的な姿勢から、たくさん影響を受けました。おすすめのアルバムは『Soony6』(2002年)です。

チャン・ピルスン

もう一人は先ほど私のバンドのお話でもキーボード奏者として紹介したイ・ソラさんです。独特の歌声と発音からくる個性が魅力的です。昔の韓国の歌謡音楽の趣きと共に、洗練されたポップなタッチやジャズ的な表現が感じられます。ソラさんも私もセルフ・プロデュースを行っているシンガー・ソングライターなので、お互い刺激になっていますし、応援し合っています。

イ・ソラ

<了>

Text By Daichi Yamamoto


Kim Sawol Show in Tokyo

■DAY 1■
4.28(日) OPEN / START 18:00
@WPU Shinjuku
出演:
Kim Sawol (acoustic)
nakayaan&cheever
MINODA、nnn

■DAY 2■
4.29(月・祝) OPEN 19:00 / START 19:30
@Spotify O-nest
出演:
Kim Sawol (band set)
mei ehara

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