Back

第2回
杜易修(Du Yi Sho)インタビュー
「“時代は変わってしまった”とあきらめるのではなく、
“これから時代を変えていこう”と宣言したい」

04 November 2019 | By Shinichi Sugawara

この連載第一回目の記事「古一小舎:今後の台北音楽シーンを担う、どう考えても普通じゃないカレー店」でも少し触れた、『古一小舎』オーナーの一人である杜易修(Du Yi Sho)。
彼は現在台北のシティポップバンド「Everfor」のギタリストとして活動しているが、他にも「落日飛車」のメンバーと共に「Angel Baby」というエクスペリメンタル・バンドでドラムを叩いていたり、ロック・バンド「昏鴉 The Murky Crows」で中心的人物としてバンドを支えている。他にもこの20年間に30以上のバンド/楽隊に出入りを繰り返してきた、正真正銘の台湾インディーの重鎮だ。
彼が営む『古一小舎』には日夜さまざまなミュージシャンが集まり、今や台北のシーンを支える重要なスポットとして機能しているが、筆者は彼自身のことをもっと訊いてみたくなった。
台湾インディーを15年見てきた最重要人物。今回は、おそらく世界初となるそんな杜易修への単独インタビューをお届けしたい。



インタビューに応えてくれた杜易修

Interview with 杜易修(Du Yi Sho)

菅原:失礼でなければ、あなたの出身と子供時代のこと、音楽をはじめたときのことを教えてください。

杜易修:私は台南市に生まれました。父と一緒に釣りに行ったり絵を描いたりキャンプするのが好きでした。スポーツをのぞいて、学校の成績は悪かったです。

小さい頃から台湾語(※中国語ではない)のポップ・ミュージックをたくさん聞いて育ちました。姉がアメリカ・イギリスの音楽に夢中になっていて、ダンスミュージックのミックス・カセットテープ『舞曲大帝國』をたくさん持ってたので、それを借りて聴いたことも私の音楽家としての原点です。

私は当時ロック・ミュージックについて明るくなかったですが、ある日友達がバンドをはじめたいと私を誘い、ドラマーとしてのキャリアがスタートしました。友達はドラマー役で映画に出ている李燦森(※香港の俳優)が私に似ているからという理由で、私にドラマを薦めたのです。

菅原:あなたは伝統音楽をやっていると聞きました。

杜易修:私が中学のとき、家の近くの大きい寺で、12年に一度の大きなお祭がありました。そこで地元の「北管社」(※台湾の伝統音楽「北管」をグループ編成で演奏する集団。北管は中国北部の音楽と、北京語の要素が含まれる)に参加すれば学校に行かなくていいとのことだったので、私はすぐに飛びついたのです。それから北管社のメンバーとして演奏するようになりました。

菅原:あなたはこれまで、たくさんのバンドに携わってきましたが、その中で印象に残っているエピソードを教えてください。

杜易修:2006年にサポートドラマーとしてBB彈というバンドに参加し、一緒に中国ツアーを回りました。南京公演の際、みんなで臭豆腐を食べながら飲んでいたのですが、あまりにも楽しくて酔いすぎてしまい、すごい騒ぎになってしまったことが思い出深いです(笑)。ヴォーカルは店のテーブルをちゃぶ台返しして怒られるし、他のメンバーは裸で道を走るし。自分はホテルまで叫びながら帰ったそうです。

菅原:あなたが15年台湾の音楽シーンを観てきて、素晴らしいと思うバンドやアーティストを5つ挙げるとしたらなんですか?

杜易修:次の5つです。
「交工樂隊」

「一隅之秋」
「追麻雀」
「boyz&Girl」

あと、「smol」もいいですよ。

菅原:前回『古一小舎』の取材ではありがとうございました。最近のお店の調子はどうですか?

杜易修:そろそろ冬なので、最近は意麵(※小麦粉から作られた平らな広東の卵麺)やコーヒーを注文する人が増えています。スタッフ今、新しいカレーのレシピを研究中です。日本の皆さんもぜひ来てくださいね。

菅原:あなたのインスタグラムのストーリーズはユニークです。いつも素敵なカフェに足を運んでいますね。最近オススメのカフェを教えてください。

杜易修:この2つはとてもオススメですよ!

中山市『coffee sweet 自家烘焙咖啡館』
https://www.facebook.com/pages/Coffee-Sweet/141425302587648

『一日一 珈琲 a coffee a day』
https://m.facebook.com/acoffeeaday.co/?epa=SEARCH_BOX

菅原:今注目しているアジアのバンドはいますか?

杜易修:全てです。私はリリースされたバンドの音楽は全てチェックするようにしています。今のミュージシャンから学んで自分にできることを考えるのです。

菅原:これからの台北シーンについて、望むことは?

杜易修:私は台南から台北にきて11年になりますが、この間物価もどんどん上がり、日々、経済を発端とした様々な悪循環を感じでいます。若いミュージシャンのみんなには、もっと自分の気持ちに正直に、素直でいることを望みます。音楽ビジネスの不公平なことに対してちゃんと戦うこと。そして、どんどん新しいことにチャレンジしてほしいですね。私のもっともっと上の世代がよく言う言葉「時代は変わってしまった」とあきらめるのではなく、私は「これから時代を変えていこう」と宣言したいです。皆さん、私たちを見ていてください。

菅原:ありがとうございます。近いうちに会いましょう!

(インタビュー・文・写真/菅原慎一)


古一小舎(guyicafe)
No. 113號, Section 1, Huanhe North Road, Datong District, Taipei City, 台湾 103
https://www.instagram.com/guyicafe/
営業時間: 12:00~21:00
定休日:月曜日

■菅原慎一 Instagram
https://www.instagram.com/sugawarashinichi

■菅原慎一 Official Site
https://someedosomeedo.wordpress.com/

■シャムキャッツ Official Site
http://siamesecats.jp/


関連記事
【連載:菅原慎一の魅惑のアジアポップ通信】
第1回:『古一小舎』〜今後の台北音楽シーンを担う、どう考えても普通じゃないカレー店
http://turntokyo.com/features/serirs-asianpop1/

【REVIEW】
DSPS『Fully I』
http://turntokyo.com/reviews/dsps-fully-i/

【FEATURE】
シャムキャッツ菅原慎一が訪ねる新たな台北の遊び場《PAR STORE》~ex透明雑誌・洪申豪(モンキー)が作った理想のスペースとは?
http://turntokyo.com/features/features-par-store/

Text By Shinichi Sugawara

1 2 3 17