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強靭なグルーヴでK-POPの壁をぶち破れ!
BTS RMから坂本龍一までを魅了する韓国新鋭バンド、セソニョンはタフにどん欲に突き進む

31 August 2019 | By Daichi Yamamoto

セソニョン(SE SO NEON)は間違いなく韓国で次のブレイクが最も期待されているバンドだ。2016年にファン・ソユン(ギター、ボーカル)、ムン・ペンシ(ベース)、カント(ドラム)の3人により結成、翌年初めてのEP『Summer Plumage(夏羽)』を発表した時のリリース・ライブには韓国ではもはや国民的人気のバンド、ヒョゴがサプライズ・ゲストで登場。2枚のシングルと1枚のEPをインディ・レーベルである<ブンガブンガ・レコード>から出しただけながら、韓国の国営放送KBSの音楽ライブ番組「ユ・ヒヨルのスケッチブック」やソングライターに迫ったリアリティ番組「鍵盤の上のハイエナ」など人気番組に出演。2018年の韓国大衆音楽賞では「Rookie Of The Year」、シングル「The Wave」が「Best Rock Song」賞を獲得。そして、BTSのRM、DEAN(昨年チャート1位も獲得した大ヒット「Instagram」でソユンがギターを弾いている)、さらにはなんと坂本龍一まで、彼らを称賛するアーティストの名前を挙げるだけでも、その注目度、本物度が窺えるだろう。

  まずこのバンドを聴いて耳を引くのはスリーピースとは思えぬ迫力ある演奏、そのグルーヴだ。どっしりと構えたパワーのあるドラムと激しくうねるベースに、思い切り歪ませたギターが時に泣きのソロを聴かせたりもする。個々の楽器がぶつかりあい、結束し、強靭なグルーヴを生み出す。例えば先述のTV番組「ユ・ヒヨルのスケッチブック」の収録は大きなホールで行われているようだが、そんな場所でも堂々とスリーピースとは思わせぬ迫力やスケール感を感じさるのだ。   

だが、その演奏は特段新しいことが試みられているわけではない。ソユンのギターはブルース譲りで基本に忠実。音色はサイケデリック、リズム面ではジャズ、ファンク、ボサノバの息吹も感じられ、引き出しの豊かなギター・ポップとなっているので、親しみやすい。無理に現行のポップスに太刀打ちすることを意識せずとも、多様なルーツ・ミュージックを摂取しながら演奏力の基礎を鍛えて、強いグルーヴを生み出しているのだ。その潜在能力こそが、バンドの幅広い支持に繋がっているだろうし、それは先輩であるヒョゴとも共通する強みに思える。

そして絶対的なフロント、ファン・ソユンのキャラクターもこのバンドを語る上で欠かせない。サングラスがお馴染みのクールな佇まいに、独特の中性的な声、強いエネルギーとメロウさを兼ね備えたボーカル。フロントマンとしては抜群の素質だし、もう既に完成し切っているのではとも思いたくなる。それでも彼女は現状に満足することもなく、一人のミュージシャンとして常に柔軟で野心的。今年5月にはSo!YoON!名義で発表したソロEP『So!YoON!』は、幅広いジャンルの新鋭とのコラボを通して自分の新たな顔を探求する優れた意欲作だった。  

 

R&Bシンガー、スミン(SUMIN)(クレジットにはないがチャート1位曲を連発するシンガー、ザイオンT(ZionT)も歌っている)との「Noonwalk」やフォークトロニカ・アーティスト空中泥棒(Mid-AirThief)との「A/DC=」では変則的なエレクトロ・ビートを乗りこなし、今年初めに「DDING」が大ヒットしたラッパー、ジャッキー・ワイ(JvckiWai)との「Fntsy」ではファンキーなヒップホップ・ビートの上で、自由に言葉遊びをする。ソロだから出来ることに目一杯挑戦し、より表情豊かなでありながら、ジャンルの振れ幅が広い作品の中でも核として印象に残るボーカルを身に付け、彼女の歌のキャラクターは一層タフになった。

セソニョンは今年、兵役のため脱退したムン・ペンシとカントの2人に代わってパク・ヒョンジン(ベース)、ユ・ス(ドラム)が加入しニュー・チャプターに入った。9月末には新曲を発表する予定、さらにニュー・アルバムも年内のリリースに向けて準備中だという。そこではソユンのソロ作を経た成長も反映されるはずだ。

以下のインタビューからは、豊かなルーツを感じさせる楽曲やソユンのどん欲な活動を裏打ちする、フラットにあらゆるジャンルへ接する姿勢や、ブレずに自分の音楽を追求することへの強い意志が読み取れるはずだ。DEAN「Instagram」に関するエピソードから、メンバーそれぞれに選んでもらった韓国音楽のオールタイム・ベストまで、新しい発見も楽しんでほしい。

取材・文・写真 / 山本大地
通訳 / 筧真帆

Interview with SE SO NEON

ーーメンバーが加入してからのインタビュー記事はまだ出ていないと思うのですが、まずはパクさん、ユさんが合流された経緯を教えてください。お互いのことを元々知っていたりしたのでしょうか。

ファン・ソユン(以下:ソユン):元々の知り合いではなかったです。SNSで彼らのことを調べてみたりして、会うことにしました。

ーー会ってから音楽のテイストを話したり、演奏してみたりとか、決め手があったのでしょうか。

ソユン:最初会ってみて、色々話してみたりはしましたが、彼らの音楽のテイストまで詳しくわかっていたわけではないです。ただ演奏を合わせてみて良いエネルギーを感じたので、一緒に出来るのではないかと感じました。

ーーセソニョンの音楽のコア(核)には3人だけとは思えない演奏の強いグルーヴ、またメロウで親しみやすいソユンさんの歌があると思います。新しいメンバーになって最初に発表されたバンドの曲「Athena」(ソユンのソロEP『So!YoON!』収録)を聴いて、いい意味でセソニョンの楽曲の軸は変わっていない、ブレていないなと思いました。

ソユン:「Athena」は完全なるセソニョンの新曲ではなくて、ソロ作に収録するものの一曲として作ったので、必ずしもセソニョンらしさみたいなものを意識したわけではなかったんです。ただ、特に後半はギターやベースでグルーヴがとても生かされているとは思うので、もしセソニョンらしいと感じてもらえたならそういう部分からだと思います。

ーーあなたたちはデビューから早くして人気バンドになりました。EDMやヒップホップをベースにした音楽がメインストリームのK-POPでは人気ですが、そんな中でもあなたたちのサウンドは、ブルース、サイケデリック・ロック、ソウル・ミュージックなど古い時代に作られたものの影響をより感じます。60年代や70年代の音楽を魅力的に感じるとしたら、具体的にどんなところでしょうか。

ソユン:私自身は特に時代的なものは意識していないんです。「60年代」、「70年代」とか分けられたジャンルもあるのかもしれないけど、普段はヒップホップ、エレクトロ、韓国の古い歌謡音楽も聴くし、ジャンルや時代のカテゴライズは重要じゃなくて、ただ良い音楽を聴こうとしています。でも、音楽を作る過程では自分が古い音楽に良いと思っている部分が出てきているかもしれないです。ヴィンテージな音楽はマイキングやギターの音をどう絞り出すか、イコライザーをどう設定するかみたいな文法的なことやテクスチャーなど細かい部分へのこだわりが面白いと思えます。ただ、ここ最近はヴィンテージと形容される音楽をやるアーティストが少なくないと思うのですが、私たちは敢えてヴィンテージなものをやろうとしているのではなく、そういう音楽の文法や特性に面白さを感じていて、それを生かしていると思います。

ーー先ほど音楽のカテゴライズは重要じゃないと仰いましたが、例えばアメリカでもここ最近はジャンルの壁を越えるような表現が多いですが、あなたたちにもそのような意識があるのでしょうか。

ソユン:私が影響された音楽も特定のカテゴライズされたジャンルというわけではなかったし、私が作る音楽に関しても、私から自然とアウトプットされたものが私の音楽だと思っています。もともとバンド音楽はたくさん聴いていたわけではなくて、最近になってより聴くようになったので、それもあってジャンルはあまり意識してないんです。ロックを作ろうとしてロックが生まれるとか、ソウル・ミュージックを作ろうとしてソウル・ミュージックが生まれるとかではなくて、曲によって伝えたいことがそれぞれ違うので、そこが一番重要で、自然とアウトプットされるものに繋がります。ロックへこだわっているわけではないし、カテゴライズはせず自然に出てきた音楽をやっているのもセソニョンらしさなのかもしれないですね。より重要なのは、その曲ごとでの歌詞や拘っているコード、メロディだと思っていて、そっちの方がバンドらしさも現れていると思います。

ーーソユンさんは以前他のインタビューでも自分の音楽のテイストについて「超雑食」で「昔の歌謡曲やK-POPアイドルの曲も、ヒップホップ、エレクトロニックも聴くし」と語っていたのが印象的でした。そういったどんなジャンルの音楽ともフラットに接する姿勢が、セソニョンの曲が結果的に親しみやすくなることに繋がっているのでは、と思いました。「超雑食」だったことは自分のソングライティングにも生きていると思いますか。

ソユン:いろんなジャンルを多彩に聴いたことが影響しているとすれば、ソングライティングよりもアレンジだと思います。バンドだからロックをやらなきゃいけないというわけじゃ無いし、ギター、ベース、ドラムの3要素が必要とも思っていなくて、いろんな楽器が入ってくるから面白いと思ってます。例えばヒップホップやアコースティック音楽なんかは、バンド音楽をやっていると、とても新鮮に映ります。アレンジ面でバンド音楽から影響を受けたとすれば、音響のシステムや曲自体が持っているエネルギーの部分かと思います。

ーー例えばインディ・バンドの中にはアイドル・グループたちを中心としたK-POPのシーンに壁を感じたり、自ら距離を置く人もいると思いますが、あなたたちはメインストリームも含む他ジャンルのアーティストともコラボしたり、KBSの番組にも出たりと、そいういう姿勢は感じません。あなたたちにはどんな意識があるのでしょうか。

ソユン:メインストリームの人たちとも絡んだり、KBSにも出たりするのは、一言でいうと楽しいからです。メインストリームにも尊敬出来ると思う人はたくさんいますし、メディアにとっても私たちの存在が新鮮で刺激的だったりするだろうし。「インディ」っていう言葉は国によって捉え方の違いがあると思うんですけど、実は最近韓国では「インディペンデント」という立場が微妙で…、「地味」とか「ちゃんとしてない」みたいな印象が持たれがちです。私は韓国でいうインディペンデントの存在になりたいわけでは無いし、だからと言って全ての人に愛されたいというわけでも無いです。だけど、たくさんの人にセソニョンの音楽を好きであれ、嫌いであれ、一度は聴いてほしいと思っています。私自身、たくさんの人の前で音楽をやることが幸せなことだと思うのでそれを続けたいです。

ーー韓国では最近「インディペンデント」が微妙になってきていると仰いましたが、もう少し具体的に教えてください。

パク・ヒョンジン(以下:ヒョンジン):音楽をやっている人ではなく一般の人にとっては、インディペンデントの人は「彼らあんな音楽でどうやって稼いでいくんだろう」っていう感じなのかもしれません…。

ソユン:昔でいうと、単に事務所に所属していない人のことをインディと呼んでいて、そこに大きな意味はなかったんだけど、最近は「お金がない人たち」や「大衆的ではない人たち」というネガティブなイメージも持たれているのかもしれません。でも、ソロ・ミュージシャンやヒップヒップだってインディの人は多いけど、いまは特にヒップホップはとても大衆的な音楽で。市場的に見ると結果的に「大衆的」っていうのは人々の好みに合わせて作られた流行りの音楽のことで、ミュージシャン自身が「美味しい」と思って作っている音楽かというとそうじゃないんだと思います。インディじゃないシーンのことをいうと、ここ最近はインスタントで、自分ではなくて他人が好む音楽をやっている人が多過ぎると思います。インディっていうのはそういうところから離れて作られた音楽なんじゃないかと思います。人々が「どうやって稼ぐんだろう」と言ったとしても、そういう人たちに合わせて音楽はやっていきません。道を歩いている人皆に私たちの音楽を好んでもらうように音楽を作っているわけではないし。

"人々が「どうやって稼ぐんだろう」と言ったとしても、そういう人たちに合わせて音楽はやっていきません。道を歩いている人皆に私たちの音楽を好んでもらうように音楽を作っているわけではないし。"

ーーなるほど。では、そんなあなたたちにとって、ロールモデルになっているような韓国のバンドはいますか。

ソユン:もともと韓国でも海外でもロールモデルと思える人ってこれといっていないんですよね。敢えて韓国で選ぶならヒョゴです。それ以外は世代が空き過ぎていないし。ヒョゴと同じようになりたいというわけではないけど、彼らからは勇気をもらえるし、違う道を行くかもしれないけれど、私たちも一生懸命、山を登っていこうと思えます。

ユ・ス(以下:ス):PIAの動きが面白いなと思います。昨年チャンギハと顔たちが解散に向けてのカウントダウンをしていたのですが、今年はPIAが解散に向けていろんなフェスに出ていて。そういうバンドっていままでいなかったですし、ロールモデルという訳ではないけど、そういうのも面白いなと思います。

ヒョンジン:ヒョゴは羨ましいです。ヴィンテージの楽器もたくさん持っているし(笑)

ーーヒョゴは以前あなたたちのライブにサプライズ・ゲストで出たことがあると思いますが、それ以外でも交流があるのでしょうか?

ソユン:時々会ったりはしますが、音楽的な交流はあまりないです。

ス:実はヒョゴのギターのイム・ヒョンジェとはソウル芸術大学の同期なんです。

ヒョンジン:私もヒョンジェさんと同じ大学で、2人が通っていた実用音楽科の後輩でした。ヒョンジェさんは休学していたし、大学では会わなかったのですが。

ーーそうだったんですね!コラボレーションの話に戻ると、ソユンさんは一昨年リリースされ、韓国のシングル・チャートでも1位を取ったDEANの大ヒット曲「Instagram」にギターの演奏で参加されました。どのような経緯であのコラボレーションが実現したのか教えてください。

ソユン:私たちのEP『Summer Plumage』とDEANのクルーにいるシンガー、Rad Museum(「clubeskimo」、「you.will.knovv」2つのクルーにDEANとRad Museumが所属している)のEP『Scene』が同じ時期に出て音源サイトでも隣に掲載されていたので、お互いの作品をよく聴いて知っていて。Rad Museumから「会わない?」って連絡が来て、私もR&Bシーンのことが好きだし、彼らもバンド音楽をどう自分のサウンドに生かすかを研究している時期だったので、「また機会があったら(連絡するよ)」と話していた矢先に彼から(「Instagram」の)話が来て、演奏することになったんです。

ーー「Instagram」のギターは粗い音色もシンプルなフレーズも独特で、フランク・オーシャンの『blonde』を思い出したりもしました。あのギター・フレーズのアイデアはソユンさんも関わっていらっしゃたのでしょうか。

ソユン:あのコード自身はDEANさんのアイデアで、私自身はセッション・ミュージシャンとして入っただけなので、トーン作りをどうするかに特に力を注ぎました。

ーーあの大ヒットには驚きましたか!?

ソユン:最初、曲の導入部分だけを聞いたときは「これいい曲なのかなあ?」って思ったんですけど、結局リリースされたら大ヒットしたので私には大衆性の感覚ってないんだなあ、と思いました(笑)

ーーソユンさんのソロEP『So!YoON!』についても教えてください。ヒップホップ、R&B、エレクトロ・ミュージックと、ジャンルの幅がとても広いチャレンジングな作品ですが、どんな意図で作った作品なのでしょうか?

ソユン:いままでの質問の答えにも、ヒントがある気がします。私はバンド音楽をやろうとして、音楽を始めたわけではないんです。まず、音楽をやる上では色々な挑戦や実験をやってみたいっていうのがあって。やはり私にはセソニョンのイメージがあるので、そこから脱皮するっていうことを方向性にして作ってみました。それで結果的に聴いた人がソユンはこんな音楽も出来るんだ、こんな音楽とも合うんだというのを見つけてくれたので、今回のソロ作を作ったことは自分にも新しい影響を与えてくれたと思います。

ーー色んな人とコラボして、皆それぞれ異なる製作のアプローチなどで発見や驚きはありましたか?また、ソロ作で色んなジャンルにトライしたことは、バンドの作品にも還元されると思いますか?

ソユン:ソロをやった時に一番重要だったのは、楽しく作ることでした。実際作ってみてすごく大変ではあったのですが…。コラボレーションをした人たちはそれぞれ制作方法が違っていて、彼らのやり方に合わせてみたり、その過程を学んでみたりすることがすごく面白かったです。今回のソロ作は制作過程を説明しているコメント・アルバムも出ているのですが、コラボレーションした人それぞれの制作方法の違いが面白かったからそれを出したくらいなので、このソロ作を経たことで自分の次の新しいキャラクターが出てくると思います。
ソロ作を作ったことは、バンドの作品にもたくさん影響があったと思います。「一緒にやる」ことの重要性が特に大きかったです。ソロ・ミュージシャンには、曲を作って、歌詞を書いてと、一人で色々やらなきゃいけないことの大変さもありますし、何より今回ソロでステージの上に立ってみて「あれ、バンドの音楽って楽しいな」って思えたんです。ソロが面白くないというわけではないですけど、敢えてソロをやることでバンド音楽をやることの楽しさを改めてわかったと思います。ソロ・アーティストの時は、バンド・メンバーがいたとしても彼らはあくまでセッション・ミュージシャンであって、自分が全ての責任を追わなきゃいけないので、音楽をやる上でのエネルギーや影響力がバンドの時と全然違うし。だからバンドでやっていることはソロにも影響があるし、ソロでやっていることはバンドにも影響があると思います。

ーー日本ではアイドル・グループを中心としたK-POP以外の韓国のポップ・ミュージックは、深く浸透していないこともあってお聞きしたいのですが、3人それぞれ韓国のポップ・ミュージック史で”オールタイムベスト”と思えるアルバム、または曲を教えてください。

ソユン:サヌリムです。時代に関係なく、時代が移り変わってもいい曲だと言えると思うので、彼らの曲全体、と言いたいです。

サヌリム / Sanullim / 산울림 – 「아니 벌써 / Already Now」 アルバム『第1集』(1977)収録
*サヌリム:リーダーのキム・チャンワンを中心に3兄弟で結成。1977年にデビューし、1997年まで13枚のアルバムを発表した、韓国のロック史を代表するバンド。2000年代に再々結成した時には、のちにチャンギハと顔たちのメンバー&プロデューサーにもなる長谷川陽平がギタリストで参加している。


ーーサヌリムというと、サイケデリック・ロックから、歌謡曲まで様々ですが、サヌリムのいろんな面が好きということですね。

ソユン:曲が云々というより彼らの存在すべてがと言いたいです。いま聴いて昔の作品だからダサいと感じるということもないですし。

ユ・ス(ドラム)のセレクト:

チョー・ヨンピル – 「モナリザ」
*チョー・ヨンピル:1968年にデビュー、多数のヒット曲を持つ韓国の国民的歌手。1987年から1990年まではNHK「紅白歌合戦」にも出演、日本でも「釜山港へ帰れ」などがヒットした。

ソ・テジ (Seo Taji / 서태지) – アルバム『Issue』
*ソ・テジ:ロック・バンド、シナウィでの活動後、1992年にダンス・ミュージック・グループ、ソテジワアイドルを結成。アルバム『2集』、『4集』は200万枚を超える売上を達成、当時の韓国にヒップホップ・カルチャーを持ち込み、「文化大統領」と呼ばれるほどで、特に90年代以降の韓国大衆音楽史では最も影響力のある人物の一人。ソロ・アルバムも5枚発表している。

PIA – 「CASSANDRA」(2005) アルバム『Become Clear』収録
*PIA:1998年釜山で結成されたロック・バンド。ヘヴィメタルをベースにしたハードなサウンドを特徴に7枚のアルバムを発表。


パク・ヒョンジン(ベース)のセレクト:

IU & Oh Hyuk (hyukoh) – Can’t Love You Anymore (2017) IUのアルバム『Palette』収録

ステラ・ジャン(Stella Jang) – 「Beautiful (아름다워)」 (2018)

(独自のライブ企画などで韓国のアーティストを紹介するメディア、ONSTAGEによるカバー企画で発表された。オリジナル版は1984年発表のユン・スイル・バンド 윤수일밴드 「아름다워」)



*8月31日に記事を公開した際、メンバー、通訳者の読みの表記の一部に誤記が御座いましたため、一部修正しております。深くお詫び申し上げます。(2019年9月1日)

Text By Daichi Yamamoto

Photo By Daichi Yamamoto

Interpretation By Maho Kakehi

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