Review

Rhye: Please

2017 / Concord / Loma Vista / Hostess
Back

ライ、突如ニュー・シングルをリリース!
素朴で優美なソウル・ミュージックこそライの未来だ

12 July 2017 | By Tetsuya Sakamoto

 牽強付会を承知で言うが、ライの音楽はゴージャスでもエレガントでもクールでもなく、素朴なソウル・ミュージックだ。彼らのニュー・シングル「Please」はそのことを我々にまざまざと感じさせるだろう。確かにデビュー・アルバム『ウーマン』での、ロビン・ハンニバルの生音とエレクトロニクスを巧妙に配置するプロダクションと、マイク・ミロシュの甘美な歌声によって、緊張感と官能性を併せ持つソウル・ミュージックに仕上がっていたが、この「プリーズ」では柔らかい音の質感を持った生音を中心に据え、我々の心に寄り添ってくれるようなR&Bを披露している。『ウーマン』以上にギリギリまで削ぎと落としたミニマルなプロダクションは、音響的な見地からのアプローチもあるようにも感じられるが、それはあくまでもカジュアルで素朴なサウンドを鳴らすために必要だったのではないか。ここには、彼らの新機軸というより、彼らのありのままの姿を表現したような飾り気のない優美なソウルが響いている。(坂本哲哉)

■ライ OFFICIAL SITE
http://www.rhyemusic.com/

More Reviews

1 2 3 73