Back

フジロック出演直前 & 秋の単独来日ツアー決定! 
「音と音の間にあるスペースを受け容れる」
精鋭トリオ、Parlor Greensが語るグルーヴの裏側

15 July 2025 | By Masamichi Torii

《FUJI ROCK FESTIVAL ’25》(以下、フジロック)に出演するパーラー・グリーンズ(Parlor Greens)は無骨でディープなオルガン・トリオ。3人の名人によるアンサンブルはボトムが低く、ミニマルながら肉厚で、フジロック初日のFIELD OF HEAVENはグルーヴの沼と化すことは約束されたと言って差し支えないだろう。

バンド結成の発端は、元GA-20のドラマー、ティム・カーマンが《Colemine》のオーナー、テリー・コールと、オルガン・コンボの話題で盛り上がったのがきっかけだった。《Colemine》といえば、《Big Crown》や《Easy Eye Sound》等と並んで日本の音楽ファンからも支持を受ける粋なレーベルだ。

カーマンがオルガン奏者として招集したのが《Daptone》のシュガーマン・スリーやスコーン・キャッシュ・プレイヤーズのメンバー、アダム・スコーンだった。そこに加わったのが、トゥルー・ラヴズの中心メンバーで、デルヴォン・ラマー・オルガン・トリオの元ギタリストのジミー・ジェイムスだ。要するにその筋では知られた精鋭トリオがパーラー・グリーンズというわけだ。

今回のインタヴューでは、2024年に《Colemine》からリリースされたデビュー作『In Green We Dream』の話を中心に、バンドの成り立ちやフジロックへの意気込みなどについて、3人揃ってたっぷりと語ってもらった。
(インタヴュー・文/鳥居真道 通訳/安江幸子 写真/Mitch LaGrow)

Interview with Parlor Greens

──『In Green We Dream』は、オルガン、ギター、ドラムというトリオ編成にもかかわらず、肉厚というか、ヘビィで迫力があり、感動しています。

全員:サンキュー!

──バンドの発端は、ティムさんが、 《Colemine》のオーナー、テリー・コールさんと、オルガン・コンボの話題で盛り上がったことだったと聞きました。

Tim Carman(以下、T):そう、そんな感じだね。テリー・コールと僕は、オハイオの《Colemine》でオルガン・トリオのアルバムを一緒に作りたいという話をずっとしていたんだ。僕はアダム・スコーンとジミー・ジェームズの大ファンだしね。テリーは僕たち3人を、オハイオ州ラヴランド(Loveland)に呼び寄せてくれた。たしか2023年4月のことだったね。そこで顔を合わせて、アルバムを録音したんだ。

──そうしてグルーヴィーなオルガンのアルバムができた訳ですね。グルーヴィーなオルガンと言いますと、ジミー・スミス、ドクター・ロニー・スミス、ジミー・マクグリフ、シャーリー・スコット、ジャック・マクダフだったりを連想します。彼らの作品はアルバムのリファレンスになっていますか?

Adam Scone(以下、A):直接的に影響を受けた訳じゃないけど、今挙げてくれたオルガニストはみんな大好きだし、作品もずっと聴いてきた。だからどこかに影響が現れているだろうね。

T:今思い出したんだけどさ、ジャック・マクダフの曲を一緒に聴いたことがあったよね? たしか『Do It Now!』(1967年)だったと思うけど、オルガンとベースがメロディ……メロディじゃなかったかもしれないけど、ユニゾンになるところがあるよね。

A:ああ、あれね。

T:「Parlor Strut」のアイデアはあれから取ったんだ。彼らの影響は僕らの中に生きているけど、初期のトラディショナルなアルバムからコンセプトを得たものもある。「Parlor Strut」は影響がダイレクトに出た例だね。

A:付け加えるとすれば、自分たちでも気づかないうちに影響が出るんだ。ジミーと僕が同じことをやり始めたときも、「ああ、話し合っていたのはこれのことか」と後から気付いたりしてね。意識的に影響を出したわけじゃなくて……。

T:自然発生的に起こったことなんだ。

Jimmy James(以下、J):♬(ギターリフを歌う)あとストラットのところ。ティムがプレイしているのを聴いていると、まるでクエンティン・タランティーノの映画みたいな感じがするんだ。誰かがストリートを歩いているような、カウボーイが馬に乗っているような、そういう感じのシーンであの曲がかかるような。あれを聴くといつもそういう図が思い浮かぶよ。

T:ジミー、君がコントロール・ルームで踊り出したとき、「こいつはいい曲になるぞ」って確信したよ!(笑)

J:(笑)

──ジミーさんとアダムさんは初顔合わせだったのでしょうか?

J:俺とティムは《Colemine》所属の他のバンドでプレイしたことがあるから、長年の間にツアーなんかでばったり会っていた。その頃から断続的に会話していたよ。アダムとはLAで何か一緒にやったんだよな。MV撮影だったかな。その後《Daptone》でスコーン・キャッシュ・プレイヤーズをやったときに一緒になった。そうやって知り合ったんだ。お互い色んな他のことを通じて知り合いになったけど、ラヴランドで顔を合わせたときは……ティム、君は俺たちより先に到着していたんだよね? 迎えに来てくれたもんな。先に来てドラムスをセットアップしていて、アダムも俺より前に到着していて、俺が最後だった。別の部屋からドラムとオルガンの音が聞こえてきて……そこから何が起こったのかはわからないけど、とにかくグルーヴが始まったんだ。それが「West Memphis」になった。到着初日にだよ? “ひとりでに始まった”ような感じだった。「こりゃいいぞ」と思ったよ。そのまま録音に突入したんだ。あの日は他に何をレコーディングしたっけ? 憶えていないや(苦笑)。

T:「The Jelly Roll」もだよ(笑)。

J:そうだった(笑)。……まぁそんな感じで、自然に進行していったんだ。自然の流れで音楽が生まれる、実に素晴らしいことだよ。

──曲はどのように作ったのでしょうか。ジャム・セッション?

A:コンビネーションだったのは間違いないね。ティムがドラム・ビートを予め僕に送ってくれていて、僕はメロディのベーシックなアイデアを考えておいて、それに行きつ戻りつ取り組んだ。ジミーとは全般的な話をしていたのかな? ただ、そういう準備をしないで、成り行きに任せて作る余地も十分に残しておきたかった。僕がベーシックなメロディを作ってあった曲は結構あるけど、実際に取り組んだときには完全に内容が変わっていたんだ。ジミーが素晴らしいアイデアを思いついて「なぁ、このパートではこれをやってみようぜ」なんて提案してくれたり、ティムが「あのパートではこれをやろうよ」なんて言ってくれたり。予め構造を決めておいたのと、その場の成り行きに任せるのと、両方の塩梅いいコンビネーションだったんだ。

──Tascam 388を使ってレコーディングしたと聞きました。8チャンネルのレコーダーですよね。少ないマイクでレコーディングしたのでしょうか?

T:そうだね。少なくともドラムに関していえば、オーバーヘッドマイクが1つとキックドラム用のマイクが1つ。つまりドラムに2本。まったく多くないね。そのオーバーヘッドマイクは部屋全体のマイクにもなっていて、ギターやオルガンの音もいくらか拾っていた。スコーン、そっちはマイク何本だった?

A:ええと……オルガンは確か3チャンネルだったかな。テリーが具体的にどうやっていたか、実は知らないんだ。あとはギター1本だったかな?

J:テリーがYouTubeに、俺たちが「Sugar Maple」をやったときの動画を上げていたんだ。レコーディングのプロセスを撮っていてね。チャンネルをミュートしてドラムが聞こえるようにしたり、同じことをギターやオルガンに対してやったりしていた。近い距離でレコーディングしていたから……1つの部屋で一緒にプレイすると、マジックが生まれるんだ。みんなで一緒に呼吸しているからね。サーフボードに乗っているようなもので、みんなで1つのビッグ・ウェーブをキャッチして、その高い波に乗るんだ。その波がどこへ行こうとね。少なくともそんな感覚でプレイしていたよ。後で音を聴いてみたら「おお、いいじゃないか。この調子でいこう」という感じだった。

──演奏のRAWな感じがとても好きです。小さくまとまっておらず、ごつごつしていて、ワイルドな感じと言いますか。

T:ありがとう!

──平均して何テイクくらいで完成しましたか?

T:あまりやらなかったね。「West Memphis」は1テイクだったし、事前にアレンジしてあった曲でも2~4テイクくらいだったかな?

J:ああ、そのくらいで合っているよ。

A:そうだね。

T:大抵は、初めてまる1曲やったときのテイクをキープしていたな。1回目の興奮と新鮮さをキャプチャしておくのが大切なことだと思うしね。僕たちはみんなテリー・コールと仕事するのが大好きだし、セッションのガイド的な役割を果たすプロデューサーとしての存在感も大好きなんだ。(求める)サウンドを手に入れる彼の感覚は何物にも代えがたい。テリーは最高だったね。特定の方向に僕たちを導くのも上手だった。

J:付け加えるとすれば、スタジオでのレコーディング風景を撮ってくれていたのもありがたかった。フォルダがパンパンなくらい動画があるよ。まだ全部は見ていないけど、全部アップできたらいいね。

──各曲がRAWな感じをキャプチャしている訳ですが、今回のアルバムでお気に入りのプレイはありますか?

A:うーん……僕がとても気に入っているのは「Driptorch」だね。あれもファースト・テイクだったんじゃなかったかな、よく憶えていないけど。あの曲は序盤にいきなりブレイクがあるんだけど、僕はブレイクが大好きなんだ。「ここで何かやらないと。どうしよう?」という感じでブレイクしたんだけど、ティムとジミーの音を聴いているのが好きすぎて、彼らが入ってしばらくするまで何もやらないでいたかったんだよね。そうやってリラックスして時間をかけることによって、音楽の赴くままにさせて、何かを強制することのないようにするのが好きなんだ。

T:僕的に意外な答えになるかもしれないけど、「Flowers For Sharon」はプレイするのが個人的にすごく好きなんだ。僕のドラマーの教え子たち(※編注:カーマンは教育者として知られるドラマー)はきっと「こんなのプレイするのは簡単だろ」と思うだろうけど、あの曲は音と音の間にすごくスペースがあるから、とてもチャレンジングなんだ。それに、プレイしている間に3人の音の行方に耳を傾けている時間がすごく長い。アダムが今言っていたことに似ているけど、あの曲で僕は意図的にシンバルを間を開けて叩いて、シズルシンバルの音がその空間を覆うような感じにしているんだ。音数を増やしすぎるんじゃなくてね。(アダムと)同じコンセプトだよ。コントロールと、音と音の間にあるスペースを受け容れることを覚えるんだ。見かけよりもチャレンジングなことだと思うよ。

J:その通りだね。俺たちはたくさんの「抑制」を利かせているんだ。スローな曲をプレイする方が難しい。速い曲のときは色々燃料を投入すればいいけど、スローな曲というのは燃焼も遅いし、ゆっくり組み立てていくものだからね。しかも強弱と抑制の役割が大きいんだ。あとはスペースを多く持つこと、時間をゆっくりかけること。そして時間をかけながらも、同じエネルギーをキープし続けること。ブリッジに行ってまたヴァースに戻って、という流れの中でもね。少しずつ上昇していって、そこから一気に下降するとか。そこにア、ア、ア(とリズムをとる口真似)という感じで、さらに下降したりする。そうやってフィニッシュまでを組み立てていくんだ。それを楽にやっているように見る向きもあるかもしれないけど、実際は違う。抑制をたくさん利かせないといけないしね。それから、「Driptorch」や「West Memphis」はグルーヴも大事だ。聴いているとマントラみたいなグルーヴになっているのがわかる。「Parlor Strut」「My Sweet Lord」はゲットダウン(おそらくダンサブルなグルーヴ)があるしね。まぁ、色々だよ。それぞれの曲に特別な居場所がある。

──インスト曲のタイトルをどのようにつけているのかが気になります。

T:正直、難しいよ。音を聴いて、そこから見えてくる景色やシーンからつけているんだ。何かのサウンドトラックみたいな感じに考えてね。例えば「Driptorch」は僕がカリフォルニアで坂を上っているときに思いついたんだ。山火事(あるいは野焼き)の火を消すのにdriptorch(消火器の一種)と呼ばれるものを使っているのを見てね。それが何故かあの曲と繋がったんだ。スコーン(アダム)とジミー、君たちもアイデアがあるよね?

J:ああ。俺の友だちに消防士がいるんだけど、消防署ではあの曲が気に入られているらしいよ。「Driptorch」だからって。

T:マジか!(笑)

J:そいつはワシントン州の東の端っこに住んでいて、そこの消防署で気に入られているんだってさ。実際そいつも、消火活動の時にその曲に力をもらったって。

T:へー。知らなかったよ!素晴らしい話だね。

J:今まで言う機会がなかったからね(笑)。

T:超クールだよ。

──「Flowers For Sharon」はいかがでしょう? シャロン・ジョーンズに捧げられたものでしょうか?

J:ザ・ダップ・キングズのね。そうだよ。あれはすごくスローな曲に取り組んでいて……アダム、君は彼女と一緒に仕事していたし、《Daptone》の一部でもあったよね。ティム、君が彼女のファンなのは知っている。俺もファンだったし……片思いしていた(笑)。そんなこともあって、あの曲を彼女に捧げたんだ。彼女が生きてこの曲を聴いてくれればよかったけどね。あの曲は、ライヴ・セットの中でも、とてもスペシャルな曲なんだ。彼女のいた記憶を生かし続けていくための曲だね。生前の彼女に会えなかった人でも、彼女がこの世にいる間に会いたかった、と思わせるような。そうしたら彼女の曲をチェックしたり、どんな人となりだったかに興味を持ったりするだろうから。

A:そうだね。「Flowers For Sharon」は、シャロンがどんなパフォーマンスにも全身全霊を込めて歌っていたことを思い出させてくれる曲だよ。自分がどんなに疲れていても、どんなに辛い状態だったとしても、一旦ステージに上がったら、それで決まりだった。素晴らしいパフォーマンスにするために、できることは何でもやっていた。僕自身もそうすることを心がけているし、あの曲をプレイするたびに美しい思い出がよみがえっているよ。

──「The Jerry Roll」は60年代のダンス・チューンのような雰囲気があります。ニューオリンズ出身のピアニスト、ジェリー・ロール・モートンとは関係ありますか?

T:あれは自然にあんな感じの曲になったんだよな。タイトルを思いついたのは確か僕だった。あの曲でダンスしたらいいかもとか、単にそんな感じでね。ジェリー・ロール・モートンとは特に関係ないよ。

──そうでしたか(笑)。

T:スコーン、「Steam Presser」のタイトルを考えついたのは君じゃなかったっけ? すごくクールだと思ったんだよね。

A:そう、あれは偉大なアイドリス・ムハマッドへのトリビュートなんだ。彼についてのストーリーを読んだことがあってね。ニューオーリンズでの子供時代、クリーニング店の隣に住んでいて、一日中スチーム・プレッサーの音が聞こえてきたんだってさ。それでリズムに興味を持ったらしい。ティムは彼に大きな影響を受けていて、アイドリスがやりそうなグルーヴをいくつか試そうとしていたんだよね。

T:ああ、そうだったね。

──このアルバムには1曲カヴァーがありますね。ジョージ・ハリスン「My Sweet Lord」を原曲とはまったく違う形で取り上げていますが、この曲をカヴァーした理由をお聞かせいただけますか?

T:あれはジミーのアイデアだったんだ。

J:君が先に言っていいよ!(笑)

T:よく憶えていないけど、確かジミーが他人のカヴァーを見つけたんだよね。で、この曲をそのバージョンみたいな感じに、面白いグルーヴでやってみようという話になったんだ。完全にユニークなひねりになっているよね。ライヴでやると、お客さんの反応を見るのが楽しいんだ。何の曲をやっているか、じわじわ気づくからね。あれはジミーのアイデアで、レコーディング・セッション中の僕たちが色んなものにトライすることにいかにオープンかっていうのがよく表れている一例だと思う。

──バンド名の由来をお聞かせいただけますか? バンド名にも「グリーン」が入っていますし、アルバムのタイトルも『In Green We Dream』ですし、どうやら緑色がシンボルカラーになっているようですね。

T:バンド名は僕が考えたんだ。60年代ぽいものをと思ってね。parlor greenというのは緑系の色名なんだ。家のパーラー・ルーム(客間、応接室)の壁をその色に塗っていたりする。それにパーラー・ルームというのは人々が集まって、食べたり、音楽を聴いたりする場所だからね。色と、みんなで集まって食べたり飲んだり音楽を楽しんだりするというのを組み合わせたコンセプトなんだ。

──みなさん、それぞれキャリアをお持ちのミュージシャンです。今新たにバンドを結成するというのは、フレッシュな気持ちになるものですか?

T:まったくその通りだね。僕たち全員にとって新鮮でエキサイティングなことだと思う。

J:楽しいよ! のびのびやれるし、色んなダイナミクスや、色んな方向性を試すことができるからね。そういうのはいつも楽しいことなんだ。それに3人だと、たくさんのスペースをちょうどいい感じに埋めることができるんだよね。その上で限界を引き延ばして色んなことをやれるんだ。

──みなさんのプレイから、60年代・70年代のソウル・ジャズやファンク、ジャズ・ファンク、ブルースへの愛とリスペクトが感じられます。3人でディープな音楽トークをしたりしますか?

A:ジミーからは音楽について山ほど教えてもらったよ。ジミーは《モータウン》とか、ソウル・ミュージックの歴史にものすごく詳しいんだ。前回デトロイトでプレイしたときも、車で移動する途中に《モータウン》の(本社の?)前で停まって写真を撮ったよ。《モータウン》の音楽は子供の頃から聴いてきたし大好きだけど、ジミーが知っているような裏話は全然知らなかったんだ。

T:インディアナ州ゲイリーでも途中で“パーラー・グリーンの遠足”になって、マイケル・ジャクソンの生家に行ったよ。

J:行ったね。

T:そういう小さな遠足をよくやるんだ。3人とも音楽の歴史に対するリスペクトが深いと思うし、一緒に楽しんでいるよ。

J:時には道中夜遅くに……なぁ、ティム?(笑)

T:(笑)

J:急に80年代の曲が聴きたくなったりしてね。

T:アニタ・ベイカー。

J:アニタ・ベイカー!(「Sweet Love」のイントロを口真似する) 他にも色々漁って、「これは何だ?聴いてみようぜ」なんてやってさ。ルーサー・ヴァンドロスのジノズ・ピザ(Gino’s Pizza)のCMとか。あのジングルは何度も聴いたよ(笑)。俺たちは何か耳にすると、「あぁ、あれ知ってる」「あのアイデアはいいね」「あれをここで試してみよう」なんて言って、自分たちでトライしてみたくなるんだ。いつも楽しいよ。色んな人のリフを聴いて「よし、試してみようぜ」なんて言ってね。「あのグルーヴから始めてみたら何がおこるかやってみよう」とか言って、それで曲になったりするんだ。そういうことをやるのはいつも楽しいね。

──ジミー・ジェイムズさんのピッキングは個性的です。「Parlor Strut」のソロなどは、アタックが強くて、日本の伝統楽器、三味線を連想しました。三味線ってご存じですか?

J:知っているような気がするけど、それが合っているかどうかはわからないなぁ。

──三味線はギターに少し似た形をしていて、しゃもじのような巨大なピックで弦をスラップして演奏する弦楽器です。

J:座ってプレイするやつだよね?

──主にそうですね。

J:なるほど。

──あなたのプレイ、特に「Parlor Strut」は、その三味線を彷彿させるところがあるんです。

J:うわぁ、そうなんだ。すごいね。

──これをエレキ・ギターで模倣した寺内タケシというレジェンダリーなギタリストがいます。もし良かったら聴いてみてください。

A:それは興味深いね。その人の作品で君のお勧めがあったらぜひ教えてよ。

※《Ace》のサブライン《Big Beat International》の独自編集盤『Nippon Guitars』をメールでレコメンドしました。

──ちなみにみなさん、フジロックは初めてですか?

全員:そう!

J:俺は日本も初めてだよ。

T:僕も初めてだね。

A:僕は2回日本に行ったことがあるよ。2003年にツアーで行って、あとは数年前にヴァケーションで行ったんだ。日本は大好きだし、フジロックでプレイするというのは僕の一番大きな夢のひとつだったから、とても楽しみなんだ。行ったことがないし、かねてからプレイしたいと思っていた。僕にとっては大きなことだよ。

──フジロックで楽しみにしているアクトはありますか?

T:いい質問だね。

J:好きな日本のバンドはあるよ。フジロックには出ないと思うけど、オーサカ=モノレールの曲は好きだね。

T:(出演者リストらしきものを見ながら)ザ・ハイヴスは素晴らしいよね。いいバンドがすごくたくさん出ているね。ヴルフペック、ジェイムス・ブレイク……。スコーンも今言っていたけど、よく噂を聞くフェスのひとつだよ。それに自分が出られるなんて、想像したこともなかったよ。本当に楽しみにしているし、あのステージに立てるなんて光栄だね。素晴らしいことになるよ。

では最後にフジロックに来るリスナーに向けてメッセージをお願いします。

J:俺たちの音楽を楽しんでくれていますように。現地では一緒に楽しもう!

<了>



Text By Masamichi Torii

Photo By Mitch LaGrow

Interpretation By Sachiko Yasue


■FUJI ROCK FESTIVAL ’25■
2025/7/25(金)・26(土)・27(日)
新潟・湯沢町苗場スキー場
詳細は以下から
https://www.fujirockfestival.com/


■来日ツアー情報■
2025/11/05 (Wed) SHIBUYA CLUB QUATTRO
2025/11/06 (Thu) Shangri-La
https://smash-jpn.com/live/?id=4512

【オフィシャル先行予約】
受付期間(1次):7/15(火)17:00〜7/21(月)23:59
受付期間(2次):7/22(火)17:00〜7/31(木)23:59
受付URL:https://eplus.jp/parlorgreens/


Parlor Greens

『In Green We Dream』

LABEL : Colemine
RELEASE DATE : 2024.07.19
ご視聴/ご購入は以下から
https://colemine.lnk.to/clmn12062
ご購入は以下からも
disk union / Tower Records / HMV / Amazon

1 2 3 84