INTERVIEWS : 08 September 2017

Queens Of The Stone Age

Josh & Troy - Aesthetics Of Subtraction Required To Be Just A Rock 'n' Roll Band

By Tetsuya Sakamoto

INTERVIEWS : 08 September 2017

Queens Of The Stone Age

Josh & Troy - Aesthetics Of Subtraction Required To Be Just A Rock 'n' Roll Band

By Tetsuya Sakamoto

ジョシュとトロイが語る、ただただロックンロール・バンドでいるために必要だった引き算の美学~新作が初の全英1位を獲得したクイーンズ・オブ・ザ・ストーンエイジの未来

クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジは確かにデンジャラスなロックンロール・バンドだ。全米チャート1位となった前作『ライク・クロックワーク』に続いて、初めて全英チャート1位を獲得したニュー・アルバム『ヴィランズ』における、剥き出しになって、荒れ狂うディストーション・ギターとベースとドラムによる推進力を持ったビートの躍動感はそのことを如実に示している。だが、それらを支えているのは、決してその場限りでしか有効性をもたないような衝動や勢いではないのだ。今作にマーク・ロンソンをプロデューサーとして招いたのも決して一瞬の閃きなどではないのである。ジョシュ・オムはロンソンの「アップタウン・ファンク」が大好きでよく聴いていたというが、ロンソンがエイミー・ワインハウスの『バック・トゥ・ブラック』やアデルの『19』や『25』の制作に関わり、彼女らの伸びやかでソウルフルな歌声を活かすために、余計な音を削って空間性をもたらすプロダクションを施したことを少なからず意識していたのではないだろうか。だからこそこの『ヴィランズ』において、過剰な音を引くということによってもたらされた空間で鳴る音の一つひとつが力強くなり、強固なバンド・アンサンブルによるグルーヴがよりしなやかになっているのだ。そんなクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジの新章と断言できるサウンドで新作を作り上げたバンドのギタリスト、トロイ・ヴァン・リューウェンに話を訊くことができた。さらには、現代ロック・シーンの絶対的キーマンでありバンド・リーダーのジョシュ・オムの貴重なインタビューも合わせてお届けする。(取材/文:坂本哲哉 トップ写真:Andreas Neumann)

photo by Riu Nakamura

Interview with Troy Van Reeuwen

ーー新作『ヴィランズ』を聴かせていただきましたが、強靭なバンド・アンサンブルと優れたサウンド・プロダクションで成り立っているアルバムだと思いました。

Troy Van Leeuwen (以下T):ああ、かなり納得しているよ。落ち着いて聴けるまでに結構時間はかかったんだけど、僕らなりに新しいサウンドが作れたかなと思う。作っているときはそういうことは客観的にわからないから、自分たちは絶対これで大丈夫だって自分たちを信じてやるしかないんだけど、とても納得のいくものになったね。具体的にいうと、広がりと深みがあって、シャープな音になっている。それは常に目指しているところでもあるしね。あと自分たちを大きくみせたい、より大きな形で伝えたいっていうのもあるから、それはできたんじゃないかな。

ーーそこで、なぜマーク・ロンソンとマーク・ランキンを迎えたのでしょうか?

T:まず、マーク・ランキンは僕らにとっては『ライク・クロックワーク』のときも一緒に制作して、よく勝手の分かった間柄なんだ。だから、僕らにとって一緒にやるんだったら彼だなというようなエンジニアなんだよ。それからマーク・ロンソン、彼はランキンがコントロールの卓に座って作ってくれている音全体を監督してくれるような立場とでもいうのかな。いってみれば彼らは僕らの音作りの上でのドリーム・チームなんだよね。だから全体の方向性みたいなもの、アルバムの全体の流れをロンソンに見守ってもらえる安心感の中で、僕らはただバンドでいれば良かったんだ。要するに僕らは音楽を作るということだけに専念すれば良かったんだよ。

ーー音楽制作に専念するためにマーク・ロンソンを迎えた、と? 

T:レディ・ガガの作品で一緒に仕事をしていたジョシュ(・オム)からの提案だったんだ。基本僕らは自分たちでプロデュースをしたりしているんだけど、今回はバンドでいることに専念できたらなという思いがあったんだ。そこにロンソンの名前が出てきたから、僕としても即座に一緒にやってみたいと思ったんだよね。というのも、今まで彼が手がけてきた作品のことも勿論知っているし、それぞれの作品の音楽性を活かす音作りをしている人だなっていう印象を持っていたからね。

ーー例えば今作のサウンドは、とても音の分離が良く、一つひとつの音がより力強く、しなやかに聴こえます。それはある種の音の引き算によって生み出されたものであるように思いますが、このことはマーク・ロンソンをプロデュースに迎えたことと何か関係していると思いますか?

T:そうだね。その辺りは彼の貢献はかなりあると思うよ。特にドラムの音の作り方にはそれがいえると思う。レコーディングのアプローチにおいて、僕らなりのやりかたも勿論あるんだけれど、彼には彼のやり方があって、それが相乗効果を生んだんじゃないかな。今回のアルバムの音は、ドライでクリーンな音作りになっているーー例えばドラムだったら胸にガツンと響いてくるような音に仕上がっていると思うけれど、楽器を一つひとつ録っていく中で、彼がこういうやり方があるよって新しい方法を提案してくれたり、僕らから彼に教えてあげることができる部分も勿論あったしね。周波数で楽器ごとにここはこれでっていう感じで埋めていったんだけれど、ミックスの段階になってここのところの周波数は他の楽器で埋まっていると思ったら、そこに無理に新しい音を押し込めるんじゃなくて、ここはなしにしようというような形でやっていったんだ。そうやってお互いのやり方が相まって良いものになったんじゃないかと思う。だから音作りにおいて、マーク・ロンソンの果たしてくれた役割はすごく大きいと思っているよ。あと彼は髪型も格好良いしね(笑)。

photo by Riu Nakamura

ーー(笑)今作も今までのあなたたちのアルバムと同様にヘヴィなサウンドのアルバムだと思いましたが、それと同時に感じたのは今作はあなたたちのアルバムの中で一番疾走感のあるアルバムだということです。この辺りについては意識的だったのでしょうか?

T:それは割と意識的だったね。でも何よりも意識的だったのは前作から飛躍したいということだったんだ。今の自分たちを形にするという方向性を目指そうっていうことだね。そういう意味では前作の『ライク・クロックワーク』の反動というところもあるんだろうな。あれはダークで、どちらかというと無防備なアルバムだったと思うんだけれども、それに対して今作は、思わず身体が動くとか、前に進むとか、今送っている自分たちの人生を楽しもうぜというようなニュアンスが出てきたアルバムだと思うよ。

ーー前作までは様々なゲスト・ミュージシャンを招いていたのに、今作はバンドだけで作ることに意識的になっている印象もあります。疾走感を出すための方策でもあったのでしょうか?

T:それも意識したところだね。今回はもっと自分たちがバンドとして輝こうぜっていう思いがあったんだ。前作はトレント(・レズナー/ナイン・インチ・ネイルズ)やデイヴ(・グロール/フー・ファイターズ)とか様々なミュージシャンに参加してもらって、あれはあれで良かったんだけど、今作は今の自分たちの姿がこれだということを表したかったんだよ。だからとても自然な流れだといえるね。

ーージョシュは今作を制作するにあたって、「最も重要だったのは、“今俺たちはどう聴こえているのだろうか?”ということを常に問いかけ、その答えをみつけながら、自分たちのサウンドを再定義することだった」と語っています。

T:ジョシュが言ってることはわかるし、僕もそれに賛同するよ。常にそうやって新しいものを求めてはいるけれども、それが何なのかはなかなか言葉にはできないものでもあり……終わりのない、果てしない旅になるんだろうなと思いながらやっているんだ。その旅路の途中で新しい知識や方法を覚えたり、新しい哲学を身につけたりっていうことがあると思うけれど、途中で捨てていかなきゃならないものも出てくる。そうじゃないと素早く動けなくなってしまうからね。

ーー「新しい知識や方法を覚えたりもするが、捨てていかなきゃならないものもある」というのは、ある種、徒花であることのリスクも抱えたポップ・ミュージックの真理でもあるように思えます。つまり、あなたがたはロックンロールでもあるけれど、ポップ・ミュージックでもあるということを自覚しているということなのでしょうか? 実際、今作はそれを如実に感じさせるアルバムになっているようにも感じます。

T:それは正しいよ。まず僕らの音楽がロックンロールに根差しているのは間違いないよね。それで、ポップ・ソングを書くということは、僕からすると一つの芸術だと思っている。それを意識して目指しているわけでは決してないけれど、自分たちでフェイバリットな音楽を書こうとする中で、ポップなものができたり、ダンスを誘うようなものができたり、パンクなものができたりということがあるわけで。でもそれをいちいちジャンルとしては考えてないけどね。

ーーではあなた個人としてロックンロールの魅力とはどこにあると考えていますか?

T:それは難しいな(笑)。そのことは3歳くらいから自問しているような気がするよ。父親が僕が子供の頃に買っていたチャック・ベリーとかジェリー・リー・ルイスの7インチのシングルをよく聴いていて、それを僕も聴いていたんだけど、そのころから追いかけている答えなんだよ。何というかそれを追求し続けることが重要なんじゃないかな。

ーー昔のロックンロールは1曲が短く、しかもアルバム単位で聴かせるものではありませんでした。ただ、あなたがたの今作は『ライク・クロックワーク』よりも曲数がさらに少なく9曲です。最近ではSpotifyなどのサブスクリプション・サーヴィスが圧倒的な影響力を持っていて、リスナーの意識は違えど、また昔みたいに楽曲単位で聴かれる時代になっています。そんな中で、QOTSAというバンドにとって「アルバム」という形態はどのような存在意義を持っていると思いますか?

T:僕らにとってアルバムは相変わらず一つの芸術形態だと思っているよ。やっぱり今の世の中はシングル重視で、それで動いているって言う人もいるけれど、僕らにしてみれば音楽って一曲では成り立つものではないと思うんだよね。それと一つの発想が一曲で言い表せるものでもないと思ってる。アルバムの中で、その曲の並び方というものまでも含めて、更に曲のキーまでも考えて、作品として流れが出来ていくような、そういう世界観は僕らにとっては絶対欠かせないと思ってる。だから、それが別にコンセプト・アルバムとか大袈裟なことではないにしても、僕らにとっては未だにアルバムという形態は欠かせないんだよね。

ーー私はQOTSAの音楽やレコードというのは、ある種のコミュニケーション装置でもあり、今ある音楽に対して論争を起こそうという意思を感じます。とりわけこの新作『ヴィランズ』からはその意思を感じましたが、この意見についてどう思いますか?

T:そういう論争が起こるところにアートを作る意味があると僕は思っているよ。ある作品を聴いた人や観た人が、作品に対して自分なりの意見や解釈を持つということが大事なことなんじゃないかな。だからコミュニケーションというと作っているバンドの中でのコミュニケーションも勿論あるけれども、外へのコミュニケーションも作品からは自ずと生まれてくると思うからね。だから僕らが何を言いたいかというよりも、受けた側がそれで何を感じてどう解釈するかっていうところの方が重要なんじゃないかな。そういう気持ちにさせるような作品であることが大切だと思っているよ。だから今作もそうであって欲しいし、そう思って作ってはいるけれども、結果っていうのはなかなか自分たちではわからないところもあるから……作っている間は自分たちの納得いくところまで作れるけど、あとのところは僕らにはどうしようもできないからね。ただ、今回は音楽だけではなくてアートワークも含めて、全ての決定に僕らバンドのみんなが関わっていて、全員がイエス、これで行こうって送り出したアルバムだということは紛れもない事実なんだよ。(トロイ インタビュー終了)

Interview with Josh Homme

――新作『ヴィランズ』はどんなアルバムでしょうか?

Josh Homme(以下J):『ヴィランズ』はクイーンズが新しいものを探して出る旅路であり、とても誠実なアルバムだ。俺たちのアルバムは、数枚ごとにグループ分けすることが出来るんだ。最初の3枚は三部作だった。“ルールなんかない。何をやっても自由”というステートメントだったんだ。それに続く『ララバイズ・トゥ・パラライズ』(2005年)『エラ・ヴルガリス』(2007年)は自分たちの足場を見出すものだった。そして前作『ライク・クロックワーク』(2013年)と『ヴィランズ』は、俺たちが築いた足場を軸にして、さらに前進していく作品だったんだ。過去にやってきたことの影響はあるけど、同じ地点に留まることなく、過去を燃やし去りながら新しい道を進んでいくことが大事なんだ。前作から始まった新章が次のアルバムまで続くのか、それとも『ヴィランズ』で完結するのかまだ判らないけど、クイーンズの歴史において最も充実してエキサイティングな時期のひとつであることは間違いないよ。

――マーク・ロンソンによるアルバムのプロデュースは、どのようにして実現したのですか?

J:俺たちはずっと前から相思相愛だったんだ。マークは『R指定』(2000年)の頃からクイーンズのファンだった。それに俺は彼の「アップタウン・ファンク」(2014年)が大好きで、家族でよく聴いていたんだ。彼の方が先に惚れたから、俺の勝ちだな(笑)。俺たちは新しい価値観を築こうとしてきた。それには古い価値観を捨て去らなければならない。何を残すか、何を捨てるかの選択肢があったんだ。「俺たちがモダンになったらどうなるか?」という命題を実現するにあたって、マークは不可欠な要素だった。このアルバムはタイトでドライなサウンドにしたかったんだ。「ハァ? マーク・ロンソンがクイーンズをプロデュース? ふざけるなよ」と思ったファンがアルバムを聴いたら、そのサウンドにあらゆる先入観が吹っ飛んでいく。その瞬間がたまらないんだよ。論議を起こして欲しかった。そうして大地が浄化し、炎が再燃し、ゴミがリサイクルされるんだ。マークは音楽のマッサージ師だった。俺たちの血流が凝り固まっているところをほぐして、作業をスムーズにしてくれた。バンドをベスト・ヴァージョンにしてくれたんだ。彼はクイーンズのファンだったし、彼が求めるクイーンズ像があった。それを具現化させたのが『ヴィランズ』だったんだ。

photo by Andreas Neumann プロデューサーのマーク・ロンソンと作業中のジョシュ・オム

――前作『…ライク・クロックワーク』にはエルトン・ジョンやデイヴ・グロール(フー・ファイターズ)、トレント・レズナー(ナイン・インチ・ネイルズ)、アレックス・ターナー(アークティック・モンキーズ)など多数のゲスト・アーティストが参加していましたが、『ヴィランズ』は基本的にバンド・オンリーで作られています。その違いは何故でしょうか?

J:正直『ライク・クロックワーク』のときも豪華ゲスト陣を招いたという認識はなかったんだ。とても難しいアルバムだったし、気晴らしにいろんなミュージシャンに遊びに来てもらっただけだよ。アルバム作りの作業は楽しかったし、俺たちは地獄への道のりだって楽しむタイプだけど、地獄への道のりは地獄への道のりだからね。楽しみながらも疲れきっていたから、友人や知り合いにスタジオに遊びに来てもらった。で、せっかく来てくれたんだから、何かやってもらうことにしたんだ。そうして気がついたら12、3人がゲスト参加していたってわけだ。ただ、彼らがアルバムの音楽性に影響を与えたわけではなかったよ。100%クイーンズのアルバムだった。

――では、そうした前作を経ての新作『ヴィランズ』での、この“新しいサウンド”をどう表現しますか?

J:クイーンズの初期の作品にはダーティーなスプリング・リヴァーブがかかっていたし、ヴォーカルも輪郭がハッキリしなかった。ドラムスにもゆったりした空気感があったんだ。でもこのアルバムの1曲目「フィート・ドント・フェイル・ミー」でジョン・セアドアがバシッと叩き始めた瞬間、すべてが新鮮な刺激に包まれる。古いスタイルは吹っ飛んでいくんだ。そして新しいサウンドがリスナーの顔面にへばりつく。仮面のようにね。ドライなドラム・サウンド、クリアーな音像。ゴーグルをつけて水中に潜って、底にあるものがすべてハッキリ見えるようなんだ。

――「フィート・ドント・フェイル・ミー」はダンサブルなロックで、まさにクイーンズとマーク・ロンソンの合体を象徴する曲ではないでしょうか。

J:うん、最高のドラム・ビートの曲だよ。オートマチックで身体が動くように仕組まれている曲だ。ただ実際のところ、俺は常に“踊れる”ロックをやってきたと思う。『ライク・クロックワーク』は比較的ミッドテンポでフィーリング重視だったけど、『エラ・ヴルガリス』の「ミスフィット・ラヴ」なんてダンス出来るタイプの曲だろ?案外みんな気がつかないものなんだ。これまであったダンサブルな鍵のダイヤルがピッタリ合って、みんなが気付いてくれたんだ。そのことを決して悪くは思わない。「俺たちがダンサブルだと気付いてくれて有り難う!」と感謝するよ。

"“悪党“とはドナルド・トランプのことか?“とか訊かれることがあるけど、あんな奴のことを題材にしたりしないよ。誰だってやっているクソみたいな題材だろ?“(ジョシュ)"

――では、アルバムのタイトルを『ヴィランズ』=“悪党”としたのはなぜでしょうか?

J:俺にとってのロックンロールの“悪党”は、1956年ぐらいのジェリー・リー・ルイスなんだ。彼がTV番組に出演したときの映像を見たんだけど、彼の周囲を若者たちが熱に浮かされたみたいに取り囲んで、トランス状態で彼のことを見つめていた。まったくクレイジーだったよ。もし俺が彼らの父親だったら、ジェリーが本物の“悪党”に見えるだろうな。俺にとって“ヴィラン=悪党”とはそういう意味を持つんだ。たまにインタビューで“悪党”とはドナルド・トランプのことか?”とか訊かれることがあるけど、あんな奴のことを題材にしたりしないよ。誰だってやっているクソみたいな題材だ。 ロックンロールは最高にダーティーで、同時に最高にピュアなものなんだ。ロックンロールはナイーヴで、暴動の引き金にもなる。そういうものだ。俺の仕事は、月曜を土曜みたいに思わせることだ。正午を午前零時みたいに感じさせて、尻の穴から虹をかけることだ。ロックンロールには、どこか純粋無垢な要素があるんだよ。

photo by Andreas Neumann

――ロックンロールの元祖“悪党”といえばエルヴィス・プレスリーですが、アルバムの最後を飾る「ヴィランズ・オブ・サーカムスタンス」はエルヴィスの「ブルー・ムーン」からインスピレーションを得たそうですね?

J:うん、エルヴィス・ヴァージョンの「ブルー・ムーン」、それからディーン・マーティンの「想い出はかくの如く」かな。「ブルー・ムーン」はいろんなアーティストが歌っているけど、エルヴィスのヴァージョンが一番“孤独”が表れているよ。若い頃のエルヴィスのやり場のない孤独が見事に表現されている。「ヴィランズ・オブ・サーカムスタンス」もそんな孤独を描いた曲なんだ。あと、「アン=リボーン・アゲイン」はTレックスのバック・ヴォーカルが好きで、ああいう要素を取り入れたんだ。「チルドレン・オブ・レヴォリューション」とか、ファルセットが入って、ちょっと女性っぽかったりするよね。あの「ニャ~~」というバック・ヴォーカルはクイーンズのキャラのひとつとなったと思う。意識はしていなかったけど、リズムのノリも似たタイプかも知れないね。この曲のリズムは好きだし、一日中だってやっていられるよ。

――「ヘッド・ライク・ア・ホーンテッド・ハウス」は『エラ・ヴルガリス』の時期に書かれた曲だそうですが、ベーシックなパンク・フィーリングがあるのは、それが理由でしょうか?

J:うーん、どうだろうな。この曲は『エラ・ヴルガリス』のために書いた曲ではないんだ。同時期に、別のアーティストがレコーディングすることを前提に書いた曲だった。でも当時は完成できなくて、もっと何かワイルドな要素が欲しくて、しばらくしまっておいたんだ。歌詞もまだなかった。『ヴィランズ』に入れるために完成させたけど、確かに『エラ・ヴルガリス』は怒りに満ちたアルバムだったし、この曲にもそんな感情が込められているね。走って行くリズムを追いかけていくような曲調が好きなんだ。(取材協力:Tomoyuki Yamazaki)

■クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ OFFICIAL SITE
http://www.qotsa.com/


■ビートインクHP内 クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ情報
http://www.beatink.com/Labels/Beggars-Group/Matador/QOTSA/OLE11822/

Text By Tetsuya Sakamoto


Queens Of The Stone Age

Villains

LABEL : Matador / Beat Records
CAT.No : OLE11822
RELEASE DATE : 2017.8.25(Fri)
PRICE : ¥2,000 + TAX


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