Review

CUCO & CLAIRO: DROWN

2018 / CUCO & CLAIRO
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22 September 2018 | By Kei Sugiyama

ビリー・アイリッシュとカリードの若手男女コラボによる「Lovely」がこの夏、話題となった。それは自殺や性的暴力を描いた米のドラマ『13の理由』で使われるなどシリアスな楽曲だが、かたやその世界と対を成すのがadidasの “#songsfromscratch” プロジェクトの一環として作られたもので、8月1日に発表された男女デュオ=クコ&クライロによるコミカルな「Drown」だ。

クコとクライロはそれぞれソロでも活動しているアーティストだが、両者コラボによるこの曲でクコが歌うのは、彼女から別れを告げられてもなんとか引き留めようとする男。その男の姿をヴォーカルにエフェクトをかけるなどしてユーモラスに表現。しかも、メキシコ系アメリカ人のクコによるスペイン語での巻き舌ラップは「彼」の未練たらたら感を演出している。それは「彼女」のウィスパーボイスとのギャップや、過ぎ去った恋とでも言わんばかりのノスタルジックでローファイなサウンドにより、離れていく「彼女」と引き留めようと奔走する男という構図を鮮明にしている。なんてことない別れの曲だが、2人の声色の違いを生かして物語をドライブさせることで、アクの強いクコのパートが癖になる。

同い年の20歳の彼らだが、アメリカの東海岸(ボストン)のクライロと西海岸(ロサンゼルス)のクコと拠点としている都市は離れている。注目の若手二人が楽曲制作に至ったきっかけの一つとして、カリフォルニアで撮影されたクライロの代表曲「Flaming Hot Cheetos」のMVに、クコがエキストラとして画面の中央で出演していることがあげられる。こちらもコミカルでファンシーな仕上がりになっているのでぜひチェックして頂きたい。(杉山 慧)

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