他の人のいうストリートもどこだか分からない(笑)──ラッパー、霊臨(TAMARIN)にLINEで話を訊く
1.
本音の対話が今なおX上で成立すると考えているあなたへ。または、無数の衝突と分断が繰り返され、その断裂の上にさらに無自覚な暴力性が振り翳される血みどろの日常に慣らされた、「タトゥーの上からリスカしてるやつ/腕とか手とかの認知バグってる」(©霊臨)を地で行く世界線に辟易しているあなたへ。
ラッパーの霊臨(TAMARIN)に、“LINE”のチャットを通じてインタヴューを行った。現在はInstagramのDMでのやり取りが主流らしいし、「オールドメディア」みたいなクリシェも業界内で逆手に取られることでその批評性は無効化されている。しかしこのインタヴューは、LINEならではの特異なタイム感──対面よりもスローで、往復書簡よりも速い──と、お互いの熟慮が克明に記録されたものと思う。スクリーンショットをそのまま掲載しているため、編集や校正が施されていないスリリングな対話をそのままお楽しみいただければと思う。
2.
霊臨の音楽については、筆者は過去に2つの長めのレヴューでその魅力を言語化しようと試みてきた。『CITYBOY Starter kit』についての文章では、主にアイロニーとユーモアの要素に焦点を当て、また『I’m X = You are ???』についての文章は、エモーショナルな側面と“しんどさ”に触れたつもりである。
・霊臨 : CITYBOY Starter kit
・霊臨 : I’m X = You are ???
本インタヴュー(2024年中に行われた)では、これらのテキストでは思案しきれなかった部分について、霊臨本人から直接話を伺うことができた。最新作『Log in! My rap game』について言及しておくと、本作は2022年にリリースされその後配信が停止されたアルバム『Log in! (deluxe)』のリメイク版である。今回は、『Log in!』シリーズにおいて霊臨が描写するリアリティ、トラックメイカーである:Plueが手掛けるサウンド、さらにアートワークを含むヴィジュアル面について話している。
この記事が、霊臨の音楽の蠱惑的な魅力に潜り込み、さらに楽しむための手助けとなれば幸いだ。
(インタヴュー・文/髙橋翔哉 キャラクターデザイン/rerotozubu 3Dモデリング/パンクス)
Interview with TAMARIN
<了>
Text By Shoya Takahashi
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霊臨『I’m X = You are ???』
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